昨日購入した「すごい会議」が面白いので俄然実践してみたくなった。 出社してから午前中に残りを読み終える。
「すごい会議」では「書いてから発表する」のが大きなポイントになっている。 別に裏紙でもいいのだろうが、進行役の自分も初体験のミーティング方法なので、書籍の付録を参考に TeX でミーティング用記入シートを作成しておいてみた。
これは作っておいた良かったと思う。今後調整を加えて使いやすいシートを作っておこう。 シートを作るのが面倒な人は、書籍の付録のシートをそのままコピーして使うだけでも良さそうである。
自分を含め開発者3人で、ミーティングを開始。 「すごい会議」のことをついつい「できる会議」と口にしてしまう。うーん、何と混同しているのだろう。
ミーティングは前半1時間、あいだに別のスケジュールをそれぞれした後、夕方に後半2時間弱。
以下雑感:
参加者全員が慣れれば、事前にアナウンスしたアジェンダに対してすごい会議流に準備できて、よりスムーズに進むのかもしれない。 そもそも今までもミーティング開催アナウンスを効果的にできていないから、ここら辺も含めて見直す必要あり。
6カ月間のプロジェクト*1のちょうど半分ということで、担当とコミットメントの再確認を含めたすごい会議を開催。 このプロジェクトでは約1カ月前にすごい会議をしてみているが、その時は「いま直面している問題はなにか?」の手順を終えたところでタイムアップ。
今回は長めに時間を用意して、全ての手順をやってみるというのもミーティングの一つの目的。
出席者は自分を含めて4人。
*1大きな枠では5年プロジェクトの中の5年目
前回より時間短縮。 皆慣れてきている感じ。
やはり実務者ほど、短期間で設定する傾向がある感じ(いい悪いではなく)。
実験。 今回はホワイトボードではなくA4の紙 (RHODIA No19) 1枚を 4つに区切りそれぞれの達成したいことを書いてもらって、その後ミーティングのあいだテーブルの真中に置いておくことにした。
「ミーティング中それぞれ自分の達成したいことを意識できるようになるのでは?」という狙いであったが、結局あまり見返さなかった様子。
紙に書いたという点では:
というメリットはあるようである。
にすればもっと目について効果があるかもしれない。
前回同様「解決案があれば赤で併記する(自分の/他人のどちらにでも)」というルールで。 それなりにアイデアが出る。
今回は別途担当者決め手順を行うので、終了後ホワイトボードをデジカメで撮って次へ。
この手順は皆の発言個数が増えるので、書き込みシートも余白を多めにしておいた方が良さそうだ。
ここからは、今まで実施しなかった手順。
第一印象は「もっと過激なものが出てもいいのでは?」
いや「どのようにすれば~」形式にすることで、過激さが柔らいでいるのかもしれない(かつ、問題解決へ思考が向いた状態になっていると)。
それほどドラマチックな展開にならなかったが、「2段階で問題出しをする」ことで確かにより深く本質に近い問題が目にみえるようになるようだ。
それぞれが感じている倦怠感などが明らかに。 それぞれ何となく笑える感じ。本質に近づけているのか? いないのか?
自分自身としては、襟を正して気合いを入れなおさねばなという思いを持ったので意味はそれなりにあった。
ただし今回は
が実現されていなかったというマイナス要因があった。 会議の出席者ではない、別のスタッフ(特に上の人)がふらふらと来てのぞかれる可能性があると思うとなかなかズバンと書きにくい。
残り後3カ月に対する戦略的フォーカス決め。 てっきり全員最終日をターゲットに指定すると思っていたのだが、そうではなかった。
総意的には大きなブレが無かったのは助かった点。 既にチームとしての目標がしっかり共有できているということかな。
そうだとすると素晴らしい。
明日残りを行う予定。
昨日の続き。
一人6つ程度担当分野を考えホワイトボードに書いた後にそれぞれ番号をふり、「n番とm番は一緒」という風にマージしていく。
結局4人のチームに対して8つの担当分野が決まった。
ここからは「一番効果的な担当者」を決める作業。 まずそれぞれの担当分野に適任と思う人を手元の紙に1人づつ書いてもらう。 書き終わったら挙手で人数を数える。
参加者の中で自身を少な目に投票した人がいて、その人が最初担当に浮かびあがってこないという事があったが、未決担当を再投票しなおして確定。
皆で決めた担当に対して反対意見はなし。 逆にちょっとそれがこわかったりするけど、皆それが一番効果的という事で納得したということでいいのかな。
それから一つの疑問は「どのようにすれば学習的配慮を含む担当決めができるか」。 この手順だと一番効果的な担当者が決まるのだが、もし「多少効果が低くなるけれど、スタッフの学習を考えた担当決めにしたい」時にはどうするのがよいだろう?
コミットメント・リスト作り。
皆それぞれ手元に書いてから、ホワイトボードにリストアップ。 依存関係をチェックして期日を調整したり足りないコミットメントを追加したりして、最終的に30強のコミットメントが確定。
自分も含めまだ、コミットメントのタイトルづけは不慣れ。 作業として書きがちな部分もあるが、慣れればコミットメントらしい表現ができるようになるだろう。
メジャーメントは今回明示的に書かなかった。 影舞上のコミットメント・リストに登録する際に、整理して決めることにする。
チャレンジに必要なエネルギーのプレゼント手順。
自分にもチャージしておく。
2日に分けて全手順完了。
全手順やったという満足感と同時に、担当決めとコミットメント・リストを獲得。
「すごい会議」全手順は、プロジェクト開始時に1日かけてばっちりやるのが一番効果的なんだろう。で、チェックポイントでは「集団解決の型」を使う。
そういえば「集団解決の型」はまだ実践してないな。 今度使ってみよう。
「最初の1、3、5が準備段階で一人でやる部分で、2からが参加者と一緒にやる部分」 すごい会議FAQより。
とのこと。すっきり!
また次の点も非常に参考になった。
ここでは、手順6、7、8は答えを作る場所ではないのです。 問題を前向きな形でたな卸しするだけです。 「答え」を提示する人がいたら、それはストップします(経営者自身がやってしまいそうになることも多くみます) ここで、誰かが「答え」を言ってしまうとドチッラケなのです。その答えが、各自、意識的または無意識のうちに手順11でコミットメントとしてその解決策が約束される可能性を最大化するためにやっているとお考えください。-- すごい会議FAQより。
もしや、思いっきりドッチラケだった?
さすがに手順8では答え作りしなかったけど、手順6、手順7では思いっきりアイデア出しに利用しちゃってたからなぁ。
光栄な事にまた著者の大橋禅太郎氏よりコメントをいただいた。
初期のころの「この会議で達成したいことはなにか」を発表してもらってから、司会者がどうすればいいか? といったところがありましたが、司会者は特にそれについてはなにもすることはありません。そのほかにもグループとしての統一した「意思決定」がなくても進むやつは、リストにしてオシマイです。
ありがとうございます。非常に参考になります!
手順を眺めてみると、参加者と一緒にやる部分のうち前半はリストにしておしまいだ。確かにすごい会議の本文でも、実際に出席者が順に発言するところが描かれているけれどそれ以上は書かれていない。
そこに書かれていない何かをしているんじゃないかなとも思ったのだが、本当にリストアップだけで良かったのか。安心。
となると合意は
となる。
やはりすごい会議は最後の手順までやらないとオイシイところが食べられないわけだ。 ふむふむ。
はやく次のすごい会議の機会こーい。
すごい会議をしてみて
という点が悩ましい問題であった。
その点について大橋禅太郎氏に質問して教えていただいた。 回答を私のサイトで掲載することのお許しをいただいたので、以下にとりまとめ。
手順6,7,8,9,10,11。コミットメントリストをつくる際に、手順6,7,8,9,10の内容が見えればOK。 ホワイトボードでやるとはまるので、やはり巨大ポスト・イットを使うのがよい。
目標達成に今役立つなら「コミットメント・リスト」に日付を入れた形で入れる。 そうでなければ(もしどうしても残したければ)どこか個人的にメモに残しておくのがお勧め(扱う情報は少ない方がよいとのこと)。
上は私が要約しちゃったけれど、メールでいただいた返信は本の文章と同じ気さくでやさしい感じの文調であった。 いやむしろ、普段の雰囲気がそのままうまく本になっているというべきなのかな。
には
そのとうりです。で近くにいいゴミバコがないことがほとんどなので、薄かったら、「床にすてる」が手順です。(あとでゆっくりゴミバコに入れればいいです)
とコメントいただいた。最高!
現在進行しているプロジェクトの中のサブプロジェクトを、今年入社したスタッフが担当することになったので、久しぶりにすごい会議を開く。
参加者は自分と、すでに何度かこの方法でミーティングを行っている松下君と、その新しく加わったスタッフの3人。 3時間の枠をとっておいたが、ちょっとオーバーして3時間半で全手順終了(途中20分の休憩含む)。 未経験者が入ったわりには短時間で終わったといえるかもしれない(サブプロジェクトが、ある程度目的の決まっている短いプロジェクトということもあるが)。
担当分野決定の手順では、戦略的フォーカスに対しニックネームをつけ、円の中央に書くのだが、一番若い新人女性スタッフが提案したのは、「(゚Д゚ )」
……発音できません。
たしかに今回の戦略的フォーカスは「2005年X月XX日に○○完成。信じがたい真実となる。」ですけど (このフォーカスも、3人の候補の文の中からインパクトがあったのでその女性スタッフのものを選んだ)。
まあ、面白いので採用。
与えられた項目がとても抽象的にもかかわらず、自分の意見をはっきり言うことができるという不思議な利点を持っている
とのこと。 興味を持ったようで書籍「すごい会議 - 短期間で会社が劇的に変わる!」を借りていった。
4月に入って、プロジェクトも新しいステージとして新体制で方針を決めて進めていこうと思う。 ということで、久しぶりにすごい会議スタイルでミーティングを実施。
1人は昨年8月に初体験している「(゚Д゚ )」を戦略的フォーカスのニックネームにしたスタッフ。 彼女はノリが良くガンガン発言してくるので心配なし。
もう一人は新入社員。 仕事の進め方や社内の雰囲気もまだつかめていない状態ではあるが、すごい会議では「書いてから発表する」「どのようにすればフォーマット」などにより自然と会議へ能動的に参加でき、自ら考えることが促されるなど効果的であると判断し出席してもらった。
今回は3時間半の時間をとっていたのだが、トータル4時間。 やはりそれぐらいは時間をとっておかないと駄目だな。
さて、ハワード・ゴールドマンスタイルのミーティング/仕事のスタイルを感じてもらい、またプロジェクトの方針を共有してもらえただろうか。
GTD では、収集バケツからのワークフローが有名である。 しかしあまり取り上げられることが少ないのだが、かなり重要だとここ最近思っているのが「自然に計画するためのモデル」である。このモデルでは、次の順に頭を動かしていく。
(仕事を成し遂げる技術 p.85)
ついとりがちなのは「反応型の計画モデル(不自然な計画モデル)」で、目先の行動で行き詰まって手遅れながら逆順にステップをあがっていくというものである。
GTD というと細かい「次の行動」をガンガン進めていくという印象があるが、それらの行動は(意識的に、あるいは無意識的に)目標からブレークダウンされたものでなければならない。
「自然に計画するためのモデル」はハワード・ゴールドマンの High-Performance OS に通じるところがある。 High-Performance OS でも
というように、目的・目標から始める。 重要。
大きなミッションでは、まず計画フェーズでこれらを熟考する(マズイ、何となくでいってしまうことも多々アリ)。
しかし比較的小さな規模の(GTD でいうところの)プロジェクトは、つい反応的に行動をとってしまいがちである。 依頼のままのアクション・思いついたアクション・やりやすいアクション・面白そうなアクションから手をつけて、結果的に忙しい割にはあまり成果が出ていないこともしばしばだ。
もっとゴールを見据えて効果的に行動していきたいところである。
Naney (なにい)です。株式会社ミクシィで SNS 事業の部長をしています。
nDiki は1999年1月に始めたコンピュータ日誌を前身とする Naney の Web 日記(兼パーソナルナレッジベース)です。ちょっとしたノートは nNote にあります。
※内容は個人的見解であり所属組織とは関係ありません。