今日で今年在宅勤務50回目。3月4日に1日試行したあと、3月30日から2週間リモートワーク推奨で本格的に始まった在宅勤務生活は4月7日の緊急事態宣言発出を受けて継続となり、あっという間にもうすぐ3カ月というところだ。
明日には都道府県をまたぐ移動の自粛が緩和されるなど、新型コロナウイルス感染症対策での制約もだいぶ無くなってきている。このままいけばまたオフィスワークも可能になっていくだろう。
在宅勤務50回目の中で個人レベルでの良い面(個人に閉じた業務は捗る・家族時間が増えるなど)、悪い面(作業環境の不便さ・運動量減少・街中から得られる刺激の減少など)について感じることはもちろんある。また他の人からも個人的な良い面・悪い面と「リモートワークで良い」「オフィスワークが良い」それぞれ様々な意見も聞こえてきている。
新型コロナウイルス感染症対策で完全リモートワークが突然始まった中、それぞれの工夫によって仕事が進むようになった訳なので身の回りでは「このまま完全リモートワークでも問題ないのでは」と考えている人が多い印象である。今までのことを今まで通りやり続けていく分にはしばらく問題は無いだろうとは自分も考えている。
一方、やはり完全リモートワークで直接の接触やコミュニケーションの偶発的な機会が大きく減っていることには懸念を感じている。この影響が人間関係構築・企業文化浸透・アイデア創出にマイナスに働き、徐々に徐々に変化に弱く変化できない硬直した組織になっていってしまうことを危惧している。もしそうなればひいては所属するメンバの活躍機会の減少にもなる訳で、個々人の短期的な働きやすさだけでなく総合的に考えていきたいと思っている。
この3カ月組織として完全リモートワークをしてみた訳である。新型コロナウイルス感染症対策による制約が緩和された今、今度は偶発的なコミュニケーション機会のあるワークルールをしばらく試し検査と適応を行い組織・メンバとして学習をしていくのが未来につながっていくのではないかな。
先週ミーティングで「(オウンドメディア再設計にあたり)9セグマップ(での顧客分類)を参考に考えている」と言われた。西口一希氏が確立した顧客分析フレームワーク「顧客ピラミッド(5セグマップ)」と「9セグマップ」について氏の著書に詳しく書かれているようなのでさっそく読んだ。
本書では顧客セグメントごとの1人の顧客の意見を聞き分析し(「N1分析」)、それを起点に商品/サービスの「プロダクトアイデア」を発見し形にしたうえで「コミュニケーションアイデア」をもってプロモーションしていくというマーケティング方法を説明している。
流れについてはざっくり
と理解。
この「顧客起点マーケティング」でマーケットの顧客セグメント分類に使うのが「顧客ピラミッド」「9セグマップ」だ。シンプルなアンケートで顧客セグメント分類する方法が紹介されている。アンケートで必要な設問も挙げられていて参考にできるので顧客分析時にとても助かりそう。
氏は「プロダクトアイデア」を重要視している。結局良いプロダクトでなければ、いくらプロモーションを工夫しても限界がある。この当然なところをつい忘れ、独立した活動として「プロモーションの力でユーザー獲得しよう」と取り組みがちなので気を付けたい。
マーケティングの話は化粧品やシャンプーなど消耗品の購買視点が多い。本書はスマートニュースを事例に「ネットサービス」におけるロイヤル顧客(ロイヤルカスタマー)や離反顧客についての分析とマーケティングの取り組みが詳しく書かれておりとても参考になった。
ネットサービスのマーケティングやプロダクトマネジメントに関わるにあたり読んで良かった1冊だ。
※「回答数(=N数)」と記述しているところがあるので本書では母集団の大きさではなくサンプルサイズ n のことを N と表現しているようだ。
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会議の資料は「箇条書きではなく文章で書く」のが Amazon のルールと紹介している書籍『amazonのすごい会議 ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法』が気になって全部読んでみた。
「会議資料の準備」と Amazon 流の「意思決定会議」「アイデア出し会議」「進捗管理会議」、そしてそのやり方の背景にある信条「Our Leadership Principles」との関係について読みやすくまとめられていた。
本書の内容は「Our Leadership Principles」という価値観・行動原則を体現したマネジメントや会議のスタイルだ。なので読んでやり方だけ真似てもうまくいかない。Amazon 流会議の紹介から同意できる大切にしたい価値観・行動原則を見つけ自分や組織に取り込みつつ、会議スタイルも参考にしていくのが良いのだろう。いや価値観・行動原則を取り込められたのなら、もう真似などせずとも自ずとイケてる会議スタイルになっていっているに違いない。
とはいえピンポイントで「なるほど」「やってみたい」というのもいろいろあったので、それはそれでピックアップして参考にしたい。
「箇条書きではなく文章で書く」については
いつ誰が読んでも確実に伝わる
と「伝えるための表現形式」として、また
きちんとした文章にするとなると、読んだときに辻褄が合わない部分が出て来ないように、最初から整合性をとらなくてはなりません。そのため、吟味に吟味を重ね、適切な情報を用いて推敲を重ねなければなりません。
と「書いて考えるための表現形式」として文章形式(ナレーティブ形式)の良さが説明されいた。
最近はできるだけ箇条書きではなく文章で書くようにしている。やってみると、なるほどそうだなと。お勧めのプラクティスだ。
「定形フォーマットはつくらない」という話には唸った。
先人からの学びや自身の経験から「これは共通理解や意思決定に必要」という項目が自分なりにいくつかあって、ドキュメントの構成として意識していたりする。
しかしその構成に固執したり他人に強いたりすると、変化の阻害要因になりかねないと。定形にすると便利で楽だけれど思考の硬直につながりかねない。意識したい。
は意識したりやってみたりしたいなと思った。
それから
というのは、『すごい会議』で学んだ
というのと同じ普遍的な考え方だな。ガッツがいるのでついユルくなりがちだが、スピードと成果が圧倒的に変わってくるのでしっかり踏ん張ってコミット・リクエストしたい。
[ 読書ノート ]
先週キックオフミーティングをした『Hacking Growth グロースハック完全読本』を読む会の輪読がいよいよ今日からスタート。
第1回は「はじめに」でウォーミングアップといったところである。今回は「はじめに」の「戦略書の決定版」節以降の部分を自分が担当した。
一番印象に残ったのは「部門横断」「特効薬を探すプロセスではない」だ。
※追記あり
前半の「グロースハックは誰にでも役立つ」節ではまずグロースハックを
高速かつ部門横断的な実験を通じて急成長を促すアプローチ、つまり私がのちに「グロースハック」と名付けた手法だ。
と短く表現していた。「高速」「部門横断」「実験」「急成長を促す」にグロースハックが意味することころが含まれている。「部門横断」がしっかり入っていることが肝だと感じた。グロースチーム内でのプロセスについて考えがちだけれどチーム内で閉じた活動だけでは十分な成果につながらないのだな。
※追記あり
優れたプロダクトを開発すればユーザーのほうから集まってくると誤解すること
を「フィールド・オブ・ドリームスの誤謬」 と書いているところで「嗚呼……」となった。プロダクト開発をしているとついプロダクトの方ばかり向いてしまうことがある。注意せねば。
新たな実験を始めたら、結果の良しあしを週に2回見て、そのたびに次はどこを変えて実験するかを決める「ハイテンポ検証法」で、実験の効果をほぼリアルタイムで評価していった。
については、週2回はさすがに速いなと驚いた。どのような仮説検証なら週に2回検証できるのだろうか。気になる。
「グロースハックのへの迷信を捨てる」節ではまず始めに
第一に、グロースハックは「特効薬」を探すプロセスではないということだ。(中略)こうした必殺のアイデアはグロースハックの理想ではあるものの、実際には小さい勝利を積み重ねてグロースすることがほとんどだ。預金が複利で増えていくように、地道な歩みが飛躍につながる。
とビッグアイデアを求めるものではないと述べている。小さなアイデアを過小評価したり馬鹿にしたりしてはいけないということだよね。バリューがあり早く終わるものから高速にすすめていくという優先順位判断をしていくことを常に意識したい。
本書では cross-functional を部門横断的/組織横断的/組織横断型と訳しているようだ。本書で組織横断・部門横断と書かれている場所は、「部門を超えて」というニュアンスもありつつ機能横断の意味で読んだ方が良いのかもしれない(特にチームの文脈では)。
『Hacking Growth グロースハック完全読本』を読む会の第6回目。今日は「第4章 高速で実験を繰り返す」。
いよいよ今回はグロースハックプロセスのまわし方の章である。
1〜2週間をタイムボックスとしてイテレーションするプロセスは、スクラムなどのアジャイルソフトウェア開発プロセスに通じるものがある。グロースハックでもタイムボックスは1週間が良いようである。
初期のスタートアップ企業では、週に1〜2の実験から始めて徐々に数を増やしていくのがよい。
とあり早い段階から高速な実験サイクルが期待されている。
多くの実験を行うためには多くのアイデアが必要だが、週1回のグロースミーティングはアイデア出しの場としては使ってはいけないそう。たしかに「創造的なアイデア出し」と「高速な実験サイクル」とは切り離した方がうまくいくのかもしれない。
チームメンバは「みずからの専門知識に基づいてアイデアを出すよう求められる」。ここでもメンバの専門性を重視しているように感じた。このあたりスクラムより分業感が漂っている。優先順位付けのためのアイデアのスコア付けも提案者自身だ。
実験の結果に迷った場合は従来のバージョンを維持するのが最善の道だという。時間と労力をかけた実験は、実験を続けることで良い結果が出てくるのではと思いたくなる。きちんと元に戻す判断ができるようにしておきたい。
ワーキングノートを部門の情報共有ツールに書いてみた結果、コミュニケーションの補完という目的で部内 Web 日記として雑感を書くのがいいかなと思ったので、先週の月曜日から Qiita Team に1日1投稿を続けてみている。
「(その日の)トピックス」「(その日に確認し考察した)メトリクス」「雑感」と「(アイデアなどを含むちょっとした)バックログ」が今のところのセクション(該当内容がないセクションはカット)。
情報の鮮度を考えて1週間後に Qiita Team からは削除。ローカルでは非公開のデイリーノートと合わせて Markdown ファイルとして残しつつ、ローカルの他のノートと同じく整理のタイミングでマージされたりしていく想定だ。
また Web 日記を増やしてしまった。まあ Web 日記ドリブンも悪くない。
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アイデアを段階的に書き出し組み立てていくライティング手法であるインクリメンタルライティングをするのに Obsidian プラグイン Spaced Repetition が良いようなので、昨日インストールし今日から使い始めてみた。
インクリメンタルライティングしたいノートに #review タグ(あるいは設定したタグ)をつけるとレビュー対象となり、 Notes Review Queue に表示されるようになる。
Open a note for review をすると、次にレビューすべきノートが開くので、加筆修正する(あるいは何もしない)。
しばらくレビューが不要そうであれば Easy、またすぐレビューしたければ Hard、その間であれば Good と評価すると、次のレビュー日が自動計算されて YAML front matter に書き込まれる。もうインクリメンタルライティングの対象から外してよいとなれば、 #review タグを外す。
その日のレビュー対象がキューから無くなるまでこれを繰り返す。
いい感じの頻度でリライティングするきっかけを提供してくれる。パーソナルナレッジベースとしての Obidian vault をアップデートしていく仕組みとして良さそうだ。
今日も良い一日を。#photography
— Naney (@Naney) May 11, 2022
RICOH GR III #GR #GRIII #GR3 pic.twitter.com/LZWu8IQ3hs
Naney (なにい)です。株式会社ミクシィで SNS 事業の部長をしています。
※本サイトの内容は個人的見解であり所属組織とは関係ありません。