国内で NPS を推進している企業の1つ、株式会社アイ・エム・ジェイの主催セミナー「ロイヤルティマーケティング最前線~2016年トレンドは『ロイヤル顧客の活用』~」に参加してきました。場所は住友不動産青葉台タワーの株式会社アイ・エム・ジェイ 2F 会議室。48席あったテーブルはほぼ満席のようでした。
セミナープログラムは3部構成で、特に第2部の花王株式会社の方の取り組みが実例とあって非常に興味深いものでした。
セミナーアンケートに NPS の質問が無かったのはなぜでしょうね。
購買価値・口コミ価値・(サービスに意見・アイデア・建設的なフィードバックをくれるなどの)情報価値のある顧客をロイヤル顧客(ロイヤルカスタマー)と定義。
顧客の声を聴き「誰が」「どのくらい」「なぜ」「何が」好きなのかを分析し、ロイヤル顧客を見つけて・育てて・増やしましょうという話でした。
アメリカで開催されたカンファレンスから
といったキーワードを紹介していました。時間の都合もあってかトレンドというよりは入門的な話が中心でした。
コミュニティ・記事コンテンツ・キャンペーン・アンケートなどをもつオウンドコミュニティを通して CRM を行っている事例の紹介です。
ロイヤルカスタマーの声(VOC)はそうでないカスタマーの声に比べて全般的に長く「モノ」だけではなく「コト」「ヒト」が出てくるのだとか。そこから体験・エピソード・ストーリーを読み取っていくのがポイントのようです。
「娘が母に勧めた花王製品を勧めたエピソード」といった声をそのままコンテンツ化したりもしているということで良いなと思いました。そういうのに弱いです。
またコアユーザーについて行動や投稿を深く読み込んでペルソナを特定したり、コアユーザー同士の人間関係をネットワーク分析しそこから一緒に盛り上げてくれるユーザーを発見するなど、分析もかなりしっかりやられているようです。
やれることはなんでも貪欲に取り組んでいるような印象でした。これをどれぐらいの人数・予算でやっているのかが気になるところです。
利益への貢献はまだ測れておらず、今後 NPS を指標にして追っていきたいとのこと。いろいろありますが折れず止めずに続けていくことが大切だとおっしゃっていました。
「アンケートしたら必ず返事を返している」と言われているのを聞いて、そういうところまできちんと大切にしている点をぜひ見習いたいと思いました。
NPS 利用について比較的基本的な話が中心でした。NPS アンケートでは「スコア x スコアをつけた理由 x ユーザー属性」をもとに分析。NPS アンケートは半年から1年のスパンが妥当といっていました。
活用例については第2部と違ってクライアントの話なのでかなりぼかされていたのはちょっと残念。ここはいたしかたないところではありますね。
先週ミーティングで「(オウンドメディア再設計にあたり)9セグマップ(での顧客分類)を参考に考えている」と言われた。西口一希氏が確立した顧客分析フレームワーク「顧客ピラミッド(5セグマップ)」と「9セグマップ」について氏の著書に詳しく書かれているようなのでさっそく読んだ。
本書では顧客セグメントごとの1人の顧客の意見を聞き分析し(「N1分析」)、それを起点に商品/サービスの「プロダクトアイデア」を発見し形にしたうえで「コミュニケーションアイデア」をもってプロモーションしていくというマーケティング方法を説明している。
流れについてはざっくり
と理解。
この「顧客起点マーケティング」でマーケットの顧客セグメント分類に使うのが「顧客ピラミッド」「9セグマップ」だ。シンプルなアンケート調査で顧客セグメント分類する方法が紹介されている。アンケートで必要な設問も挙げられていて参考にできるので顧客分析時にとても助かりそう。
氏は「プロダクトアイデア」を重要視している。結局良いプロダクトでなければ、いくらプロモーションを工夫しても限界がある。この当然なところをつい忘れ、独立した活動として「プロモーションの力でユーザー獲得しよう」と取り組みがちなので気を付けたい。
マーケティングの話は化粧品やシャンプーなど消耗品の購買視点が多い。本書はスマートニュースを事例に「ネットサービス」におけるロイヤル顧客(ロイヤルカスタマー)や離反顧客についての分析とマーケティングの取り組みが詳しく書かれておりとても参考になった。
ネットサービスのマーケティングやプロダクトマネジメントに関わるにあたり読んで良かった1冊だ。
※「回答数(=N数)」と記述しているところがあるので本書では母集団の大きさではなくサンプルサイズ n のことを N と表現しているようだ。
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What Is the PESO Model? によれば、 Gini Dietrich 氏の Spin Sucks: Communication and Reputation Management in the Digital Age が出版された2014年に PESO model が正式に世に送り出された。
の4種類のメディアで考える。
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Naney (なにい)です。株式会社ミクシィで SNS 事業の部長をしています。
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