サービスのグロースに関するキーワードに AARRR と ARRRA がある。後者について本書で説明されているとのことで読んでみた。
スタとアップメトリクス AARRR を株式会社VASILY(2018年4月の合併で株式会社スタートトゥデイテクノロジーズに)の実践の中で発展させたモデルだそうで、施策の順番とユーザー体験の最大化にポイントが置いている。ARRRA モデルでは以下のステージについて順に取り組んでいくことを提唱している。
取り組む順番に並べられているので AARRR よりも実践しやすいモデルだ。
本書自体も理論ではなく実践の説明や事例紹介に重点が置かれている。手順やツール・分析方法など広く網羅されておりまさに「教本」だ。
「グロースハック」という言葉が出てきたのが2012年前後(本書イントロダクションより)。よく耳にしていたのは2013年〜2014年頃。そして本書が出版されたのが2016年1月21日。他のスタートアップのフレームワーク(リーンアナリティクス・グロースピラミッド・顧客開発)と比較しても基本的な流れは同じだそうだ。「グロースハック」というワードの流行り廃りはあるかもしれないが、サービスを成長させるための考え方は普遍。平易にわかりやすく書かれている本書はこれからも良いガイドになりそうだ。
ちなみに著者の1人金山裕樹氏は『Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール』(2014年5月22日)の訳者でもあり、リテンション獲得に最も有効なフレームワークの1つとしてフックモデルを本書でも簡単に紹介していた。フックモデルの位置付けの再確認にもなってすっきり。
海外では AARRR に対してリテンションを重視した RARRA モデル (Retention・Activation・Referral・Revenue・Acquisition) が2017年頃から提唱されているようだ。
Naney (なにい)です。株式会社ミクシィで SNS 事業の部長をしています。
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