今日新卒エンジニアに「推薦図書は何ですか?」と質問された。ということで今日その場で挙げた書籍も含めてだらだらっとリストアップしておこう。なお自分が過去読んでいいなと思った本からのピックアップなので、かなり偏ってると思ってもらって間違いない。
これ読んでないなんてありえない。既に読んでいる人も多いと思うけれども、まだ読んでいないなら黙って読め(記事)。
マネージメントコーチのハワード・ゴールドマンの教えによる物の考え方、問題解決やプロジェクトの進め方がわかる本(記事、記事)。
曖昧ではない明確な文の書き方がこれでわかる。
古典かつ超スタンダード(記事)。
超スタンダード(記事)。
共通のクレドを持って主体的に考え活動することの素晴しさがわかる本(記事)。
こちらは個人がマイクレドを持つことのパワフルさがわかる本(記事)。
Getting Things Done (GTD)の新訳版。仕事量が多くなってきてストレスを感じた時にきっと役に立つ。
[ お薦めの本 ]
この間社内で話題にあがっていたので読んでみた。
本書のターゲット層は
(p.iii)で、こられの人が読むべき8本の論稿をまとめたアンソロージーとなっている。
権限は地位から生まれるもんじゃないよねー的な話は、ソフトウェアエンジニアならもうピープルウエアで読んでるよね的なところ。ただうまく回すだけでは駄目で改革プランも実行していかなければならないよねというのは、改めて意識しなければなと思った次第であった。
あとはクイック・ウィン(就任早々に何らかの成果を上げること)は高評価につながるけど、いろいろ気をつけないと失敗するよとか。
それから、組織の中で誰のどんな声を聞き、誰について注意していかなければならないかの話とか。ちょっとまあエンジニア上がりには正直面倒臭いな感のある事柄についてもアドバイスされている。
部下ができたら読んで損はない1冊である。
ただ論稿の多くが教授と名のつく人が書いたもので堅苦しく小難し目に書かかれている。また「新任マネジャーの」という副題がついている割には、比較的かなり上級職の事例が多いため、本当の新任にはちょっとピンときにくい記事も多い気がする。 どちらかというと新任よりかは、さらに昇進して上のポジションになった人にとって意味のある1冊かもしれない。
[ 読書ノート ]
ピープルウエアの「何かチーム内の競争心をあおるようなことをしたら、チーム殺し的と見なければならない。」(第2版 第28章 競争 p.235 より)というのや Joel on Software の第21章「報奨金有害論」を読んで以来、表彰制度についてはいつも用心しています。
褒めたり感謝したりすること自体は良いのですが、評価・報酬・競争・動機づけの観点を持ち込むのは要注意です。
[ opinion ]
組織において表彰制度を実施する場合は「競争」と「動機づけ」について相当な注意を払う必要がある。
ピープルウエアでは「何かチーム内の競争心をあおるようなことをしたら、チーム殺し的と見なければならない。」(第2版 第28章 競争 p.235 より)
と競争についての問題を述べている。
表彰されるための行動は外発的動機づけによるもの。
Joel on Software の第21章「報奨金有害論」では、 Microsoft の「Ship It」アワードについて「従業員たちが子供のように扱われていると感じていることが明らかになった。」と述べている。
外発的動機づけされようとしていることについての反発だろう。
OKR についての書籍『Measure What Matters』では承認について
特別なプロジェクト、会社の目標の達成、会社の理念を体現する行為など、従業員の行動や成果を認める。「今月の従業員」を表彰する代わりに「今月の成果」を表彰する。
とし人ではなく「行動や成果」を表彰することを勧めている。外発的動機づけとしては「成果」よりも「行動」を褒める(成長承認する)ことに重点を置いた方が良いだろう。
行動を起こさせる程度だがその行動すべてを正当化できない程度の報酬にする。そうすると人は認知的不協和を解消しようと他の動機(内発的動機)を見つけようとする。
[ opinion ]
Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。
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