nDiki : ポートフォリオプランニング

ポートフォリオプランニング (portfolio planning)

プロダクト(あるいはその1リリース、プロジェクトなど)をどれぐらいの期間でどの順番でやるかを計画する作業。

2017年2月21日 (火)

第16回 エッセンシャル スクラムを読む会

エッセンシャル スクラム: アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガイド

社内で「エッセンシャル スクラム」を読みたい人が集まる勉強会の16回目。今日は第16章 ポートフォリオプランニング

これまで読んだ章の中で一番頭にすっと入ってこない章だったのは、あまりかかわってこなかった領域だからでしょうか。

ポートフォリオプランニングはプロダクト(あるいはその1リリース、プロジェクトなど)をどれぐらいの期間でどの順番でやるかを計画する作業です。

本書ではプロダクトのライフサイクル収益(プロダクトの生存期間中に見込める利益の総合計)が最大になるように優先順位を決めましょうと言っています。ライフサイクル収益は遅延コストと存続期間の影響を受けるのでこれをきちんと考えましょうとのことでした。

今日の発表者によると「ライフサイクル収益を使うのは社内政治の排除のため。ライフサイクル収益には利益以外にも社員満足度・顧客満足度・従業員満足度(離職率と採用コスト・回復コスト)なども考えれれる」といったことを CSPO 研修で聞いたとのことでした。社内政治排除のためというところが重要どころだそうです。

本書によるとポートフォリオバックログに入れる際は

コストや価値に関するちょっとした見解の相違で言い争いになって決断ができないのだとしたら、そのプロダクトの開発は却下すべきだ。

とのこと。

ほとんどの組織では、価値の高いプロダクトを開発する機会が有り余っている。価値を生み出すか疑わしいプロダクトについて、いつまでも議論をしている余裕はないはずだ。

と言い切ってます。迷ったら不採用という考えについて Joel on Software の採用面接ゲリラガイドを思い出しました。

[ 2月21日全て ]

2017年3月7日 (火)

第18回 エッセンシャル スクラムを読む会

エッセンシャル スクラム: アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガイド

社内で「エッセンシャル スクラム」を読みたい人が集まる勉強会の18回目。今日は第18章 リリースプランニング (長期計画)。

今日は7人参加。

タイミング

リリースプランニングは一度限りのものではなく、スプリントごと行うアクティビティだ。

他のプランニング同様リリースプランニングも一度限りのものではないと明言されています。章の後半で説明される進捗の把握をしながら、スプリント毎に見直されていきます。

ポートフォリオプランニングでは「終わることのない作業」、エンビジョニング(プロダクトプランニング)では「一度やってそれで終わりではない」とそれぞれここまでの章で書かれています。全てのレベルにおいて継続が求められます。

ただスプリントプランニングをスプリントごとにやるとすると、どの程度時間を使うことになるのかが気になるところです。1週間スプリントの場合だと、さっと済ませるか何回かに1回にするのかが現実的なところでしょうか。

プロセス

各リリースには、明確に定義されたリリース可能な最小限のフィーチャー(MRF)がなければならない。(中略)顧客視点で、実用最小限の製品となっていることを確かめるのだ。

今の仕事は「フィーチャーごとにリリース」という方針でやっています。1スプリントで完成できるように例えばバックエンドという PBI にして先に完成させデプロイしておくというのをやったりしています。しかしバックエンドだけではここでいう MRF ではないですね。

いまチームではこのデプロイもリリースと呼んでいますが、エッセンシャル スクラム的に考えるとそれはリリースではないと考えた方が良いのかもしれません。

「各スプリントで価値を届ける」ことと「各スプリントでデプロイする」は同義でないと考え直した方が良いようです。

「いくつかのスプリントの成果物をひとまとめにしてリリースする」というプランニングの場合もあるのですから、毎スプリント必ずリリースするということに無理にこだわらなくてもということでしょうか。スプリントが終わった時点で常にリリース可能な状態になっていることが重要ということでしょうか。

リリース制約

気がつくと「スコープを固定」と無意識にしてしまいがち。ステークホルダーに期日を約束していないと、ずるずるとリリースを延期してしまいがち。

「スコープを固定」になる原因は、全体的なスコープがあまりにも大きすぎることであることが多い。

とあり、ここでもできるだけ小さくというのが推奨されています。MRF をいかに小さく定義しておけるかがポイント。18.4 節では「常にMRFを調整し続ける。」と書かれていて、MRF も適宜見直していくべきです。

期日を固定する方式がスクラムの原則にうまく当てはまるということなのでリリースプランニングの際にきちんと意識できるようにしたいです。

スプリントマッピング

主に複数チームで協調してスプリントを進めていくための話。ここは困ることが起きた場合にまた読み返したい部分です。

[ 3月7日全て ]

2017年10月20日 (金)

ポートフォリオプランニングノート #nNote

ポートフォリオバックログアイテム

  • プロダクト
  • プロダクトのインクリメント(1回分のリリース)
  • プロジェクト

など。以下プロダクト。

参加者

  • 内部ステークホルダー
  • 各プロダクトオーナー

インプット

  • プロダクトプランニング(エンビジョニング)されたプロダクト
    • エピック(数カ月かかる複数回のリリースを含むユーザーストーリー)
    • 技術的課題解決で粒度の小さいものは入れない。「プランニングコストが高くなる」「ポートフォリオプランニングまで待ちになる」となるので。
  • 仕掛中のプロダクト

タイミング

  • 定期的に行う。

アウトプット

プロセス

インフローの管理

プロダクトの開発を進めるか中止するか判断する。

  • コストをはるかに上回る価値を生み出せるか?

コストや価値に関するちょっとした見解の相違で言い争いになって決断ができないのだとしたら、そのプロダクトの開発は却下すべきだ。 — エッセンシャル スクラム

ポートフォリオバックログへの追加は年に1度ではなく、月に1回など。

小さめのリリースを頻繁に行うようなプロダクトのサイズにする。

スケジューリング (優先順位付け)

遅延コストに注意しながら、ライフサイクル収益(プロダクトの生存期間中に見込める利益の総計)の総量が最大になるように並べ替える。

  • 遅延コストが大きいものを優先する。
  • サイズが大きいものを優先する。
  • 遅延コストとサイズが異なる場合については(遅延コスト/サイズ)で比較する。
アウトフローの管理

WIP を制限する。全員の準備が整ったチームに割り当てる。

仕掛かり中のプロダクトの管理


限界費用に注目して、継続・デリバリー・ピボット・打ち切りを判断する。

参考

関連

[ 10月20日全て ]

2017年11月17日 (金)

push よりも pull

ポートフォリオプランニングについてディスカッションしている時に「各チームがバックログから pull して……」と言われて、あーポートフォリオバックログからプロダクトバックログへの流れも pull で考えた方がシンプルでいいなとあらためて思いました。

[ 11月17日全て ]

2018年2月16日 (金)

エッセンシャル スクラムを読む会: 第16章 ポートフォリオプランニング

エッセンシャル スクラム: アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガイド

今のチームでポートフォリオプランニングの運営をしているので、勉強のためチームメンバでエッセンシャル スクラムの「16章 ポートフォリオプランニング」を読む会をやりました。昨年度に別のメンバで1冊通しでエッセンシャル スクラムを読む会をやって以来なので久しぶりです。

今回の自分のパートは以下。

  • 16.5 アウトフローの戦略
  • 16.5 仕掛品の戦略
  • 16.6 終わりに

「プロダクトをいつポートフォリオバックログから取り出すか」についてのアウトフローの戦略は

  • 「作業者の手待ちではなく、作業の手待ちに注目せよ」
  • WIPを制限する」
  • 「チーム全員の準備が整うのを待つ」

がポイントでこれらは、スプリントプランニングに通じるものがあるのでわかりやすいところです。

仕掛品の戦略は作業中のプロダクトについて

  • 維持
  • デリバリー
  • ピボット
  • 打ち切り

を判断するための戦略です。限界費用で考えましょうということ。限界費用が適切に見積もれる必要がありますが、そこが難しいところですね。

16章を通して11の戦略が示されていますが、おわりにの節でどれかを選ぶとしたらとして 11の戦略から選ぶとしたら

  • 遅延コスト
  • 小さめのリリースを頻繁に
  • WIP を制限する
  • 限界費用

だとのこと。参考にします。

やはりポートフォリオレベルでは収益とコストをしっかり考える必要があるなと。

読み直して、やはり今ポートフォリオバックログと呼んでいるのは階層化プロダクトバックログだなと。複数チームで取り組んでいるのでそれはそれで必要なのですが、ポートフォリオプランニングという意味では考え直したいところです。

今日のさえずり: \Q \E し忘れるなんて、年を取ったものだな

2018年02月16日

[ 2月16日全て ]

2018年5月28日 (月)

WSJF (重み付けされた最短の作業から着手)という手法を使い始める

昨年11月から始めたポートフォリオプランニングでは、いったん各プロダクトについて

  • 遅延コスト: 小・中・大・最大
  • 期間: S・M・L・XL

とざっくりと見積もって優先順位決めをしていました。ライフサイクル収益最大化観点で「遅延コストが大きいもの」「期間が短いもの」優先として優先順位を決めていくことになるのですが、これだと両方異なる場合は単純に比較ができません。プランニングチームが慣れてきたので、そろそろ WSJF (Weighted Shortest Job First 重み付けされた最短の作業から着手)で考えていくことにしました。

「アジャイルソフトウェア要求」を参考に遅延コストと期間はフィボナッチ数による相対評価にすることにして、既存の見積もり記号にえいやと数値を割り当てて

 WSJF値 = 遅延コスト/期間

を計算できるようにしてみました。

  • 記号とフィボナッチ数のマッピングが「えいや」という感じ。
  • 遅延コストの3要素「ユーザー - ビジネス価値」「時間価値」「リスク削減/機会可能性価値」を理解しきっていなくてうまく分解できていない。

という状態なので学習しながらリファインメントしていく感じにします(遅延コストの3要素毎にそれぞれ相対評価していくのはちょっと大変そうではあります)。

プランニングチームメンバからは「そこに時間をかけても」という声も出ましたが「見積もりの話し合い過程での気付き」と「社内政治の排除(記事)」と得られるメリットが大きいので、うまく取り入れていきたいなと思ってます。

[ 5月28日全て ]

2018年6月7日 (木)

プロダクトの遅延コストの算出方法を考える

WSJF (重み付けされた最短の作業から着手)という手法を使い始めるにあたり遅延コストを算出方法を見直し中。

エッセンシャル スクラムでは遅延コストの出し方をいくつか紹介しています。その中の1つ「アジャイルソフトウェア要求」で提案している3つ要素の和として決める方法をまずは使おうと思っています。

アジャイルソフトウェア要求では「フィーチャーの優先順位付け」と「エピックの優先順位付け」のところでそのやり方が出てきますが、今はポートフォリオプランニングレベルで考えているのでエピックの方が考え方として近そう。

プロダクトについて

  • ビジネス価値(BV): 収益・シェア・コスト削減・顧客の囲い込み向上についての相対的な価値。
  • 時間価値(TV): 時間が経つとどの程度価値が下がるかの相対的な価値。大きい値は価値が急速に低下することを表し、小さい値は安定していることを表す。
  • リスク低減/チャンス利用(RRV): 将来のプロダクトのリスクを低減する価値があるか、他のビジネスチャンスを活かす価値があるかの値。

をフィボナッチ数列の値で相対的に見積もります(アジャイルソフトウェア要求だと 1, 3, 5, 8, 13, 20, 40, 100 という等級を例として出しています)。

そして3つを足した

 [ビジネス価値] + [時間価値] + [リスク低減/チャンス利用]

を遅延コスト(CoD)とします。

正直なところ「金額」と「金額変化度合い」とをごっちゃに足しちゃう気持ち悪さがあってちょっとすっきりしない感じはあります。あと3要素それぞれで相対で決めていくとすると、特定の要素が大きめになって遅延コストを支配する可能性も出ちゃいそうだなと。

とりあえずやってまた考えるという感じかな。

[ 6月7日全て ]

2018年6月26日 (火)

今日のさえずり: ポートフォリオプランニングが進捗会議っぽくなりつつある

2018年06月26日

[ 6月26日全て ]

2018年7月27日 (金)

プロジェクトでみんなをバスに乗せるために書いておく項目リスト

みんなをバスに乗せるためにプロジェクトのプランニングで明確にして共有した方が良いドキュメント形式って、方法論やプロジェクトの段階によっていろいろな名前のものがありますが、基本的に項目はどれも似たような感じです。

項目名を整理して決めておくと楽なのでちょっと書き出してみました。

コンセプトシート

比較的軽量にまとめる時。

  • タイトル
  • 概要 (What)
  • 目的(と背景) (Why)
  • ゴール (Goals) and/or 目標 (Objectives)

プロダクトプラン

プロダクトプランニング(エンビジョニング)のアウトプットとして。エピックレベル(数カ月程度の大きさ)。

  • プロダクト名
  • プロダクトビジョン
    • 概要
    • 目的(と背景)
    • ゴール and/or 目標
    • 成果物
    • 完了条件
    • スコープ(含むの・含まないもの)
    • (opt) 依存するプロジェクト・制約条件
    • (opt) リスク
    • (opt) 予算
    • (opt) メンバ
  • 概要レベルのプロダクトバックログ
  • プロダクトロードマップ

ポートフォリオバックログアイテム

ポートフォリオプランニングで、プロダクトプランを評価した結果のもの。エピックレベル(数カ月程度の大きさ)。

  • プロダクト名
  • プロダクトプラン
  • 期間
  • 遅延コスト(ビジネス価値・時間価値・リスク軽減/チャンスと利用)
  • WSJF

プロダクトバックログアイテム

スクラムで1スプリントで完成できるサイズのアイテム。フィーチャーレベル。

タスクチケット

ちょっとしたタスク。

  • タスク名
  • 概要
  • (opt) 目的と背景 (概要で自明でない場合)
  • (opt) 成果物/アクション (概要で自明でない場合)
  • 完了条件
  • 期日

プロジェクト憲章

  • プロジェクト名
  • 概要
  • 目的と背景
  • ゴール and/or 目標
  • 成果物
  • 完了条件
  • スコープ(含むもの・含まないもの)
  • (opt) 依存するプロジェクト制約条件
  • (opt) リスク
  • (opt) スケジュール・期限
  • (opt) 予算
  • (opt) メンバ

備考

他には以下のような形式もあります。

[ プロジェクトマネジメント ]

[ 7月27日全て ]

2018年9月30日 (日)

2018年第2第3四半期ふりかえり

四半期毎にふりかえりをしようと思っていたんだけれど、第2四半期末は後回しにしている間に終わってしまった。第3四半期末も後回しにしてこれを書いたのは10月23日だったりする。

続けたいこと

写真を見に行く (前回: 続けたいこと)

最近行ってないなと思ったけどここ半年43回は行っていた。もっといろいろ見て感性を磨きたいな。

本を読む (前回: トライしたいこと)

最近は通勤時にスマートフォンで Kindle本を読むようにしている。ちょっとずつだけれど時間的にはこの枠が習慣化しやすいかなと。

写真を撮る (前回: トライしたいこと)

毎朝通勤時に1枚撮ることを日課にしたら習慣になった。

それ以外に毎日2枚 Twitter に投稿するという自分ルールを作ったら、撮りためなきゃというのがあってカメラを持って出歩く時間が増えた。 DSC-RX0 が気軽に持ち歩けること・ Lightroom を買って現像が楽しくなったというのも大きいな。

フィルムの方は TC-1 に入れたフィルム写ルンですがまだ撮り終わっていない。今となってはフィルムは撮りどころが難しくて。

自分の Tweet を Retweet する (NEW)

感想を聞いたことはまだないんだけれど、 Retweet したらいいねがつくので継続してみる。

will doリスト作りは前日に(NEW)

前日に will do リスト(クローズドリスト)を作っておいた方が朝の仕事の出だしが早い。前日作れないこともあるけれど、できるだけ前日で。

引き続き続けたいこと(前回: 続けたいこと)

以下はいい感じなので引き続き継続。

改善したいこと

自分の頭で考える (前回: 改善したいこと)

元日に今年意識してみることにしたもの。「情報を遮断して考える」「毎日考える時間をとる」仕組み化できてない。

体力アップとメタボリックシンドローム解消 (前回: 続けたいこと)

自重筋トレ続かず。

ビジネスについて考える (前回: トライ)

関連する本を読んだりするようになったけれどまだ不足している。

WSJF (NEW)

ポートフォリオプランニングの優先順位決めに WSJF 導入しようとしたんだけれど、うまくいっていない。今はほぼない感じになってしまっているので、続けるのかやめるのか判断せねば。

ちなみに「ポートフォリオバックログ」のスプレッドシートに「概要レベルのプロダクトバックログ」列を追加したのは良い感じ。

トライしたいこと

ふりかえりからはなし。

やめるもの

六面立体パズル(いわゆるルービックキューブ) (前回: 改善したいこと)

最近はオフィスでポモドーロテクニック的休憩の間にたまに回すぐらい。忘れない程度にいったん維持できればいいかな。

歩く会 (前回: トライしたいこと)

行きたいとは思っているんだけれど優先度下げ。

アイカツ!

アイカツスターズ! を2年間観たわけだけど、アイカツフレンズ! は観ないことに。最近観ているのは「レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜」。

iThoughtsX マインドマップを都度 Markdown 形式でエクスポートして Ulysses で管理

煩雑なので続かず。

Day One Premium をキャプチャツールとして使うのを控える

無くてもまわるようになった。次回 Premium プランは更新無しかな。

[ 9月30日全て ]

About

Naney Naneymx

Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。

※本サイトの内容は個人的見解であり所属組織とは関係ありません。

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