書籍「スターバックスCEOだった私が社員に贈り続けた31の言葉」は元スターバックスコーヒージャパン CEO の岩田松雄氏による、若手/30代リーダーへ向けたレター形式のリーダーシップに関するメッセージ。
メインは「ミッションを持とう」なんだけれども、自分が一番ぞわぞわっときたのは「付加価値が生まれる『火花の散る瞬間』を意識せよ」という本質を見極めよというセクションの中の以下のところ。
スターバックスで火花が生まれる瞬間は「心を込めてコーヒーをお渡しするとき」です。(中略)「あなたたちの心からの最高の笑顔とともに、自身をもって淹れられた最高に美味しいコーヒーが素敵な音楽とスポットライトに演出されながらカウンターで渡される。だから、全パートナーの意識をそこに集中してください」 pp.160-161
そう、スターバックスってあの注文してからドリンクが出来上がるまで時間、そしてそれを受け取る瞬間がなんともいえないんだよね。
自分たちが作り提供しているサービスの中で、火花が散る瞬間っていつだろう? あの人と心がつながりあえた時? あの人って誰? どんなシチュエーションで? どんなデバイスで? そう考えてくるとわくわくするね。
[ 読書ノート ]
昔の方が良かったという人はガン無視。
全社を挙げて“変革”に取り組む方針で動き出した中、ちきりん氏が「変わること」などを主なテーマにインタビュー・質疑形式で講演してくださった。 変わっていくことと、全員がリーダーシップをとっていくことの大切さを生の声で聞け、歯に衣着せぬ口調とあいまって、終始わくわく、そして心のザワザワする刺激のある講演だった。
内容ももちろん素晴しかったんだけれどそれに加えて、問いに対してきちんと考えを主張されているところが凄いなと感じてじっくり聞いていた。例えば自分は講演を聞いていて「常に変化をしていく」ことって大切なのと同時に「変わらない良さ」というもの一般的にあるよなー、「変化の中で変わらぬ良さを持つとは何だろう?」なんて考えてしまう。コンテキストをここと決めて、そのコンテキストの中で結論を導き答えを出し、自分の考えとして伝えることが重要なのだね。
あとはへーと思ったのがちきりん氏が「Blog を書き続ける中で、今まできちんと推敲して文章を書き上げるスタイルから、(IT 系でよくやるような)まずは公開して、フィードバックを受けて手直しをするスタイルに変わってきた」という話。
紙と違って簡単に文章をブラッシュアップしていけるのが Web の良さの1つなんだけれど、出した瞬間にフィードがクロールされてサイト外で固定されたデータになってしまったりして、ずっと前から心理的な障壁が上がっていた。でもこの話を聞いて、あ、もっと軽く考えてもいいんだなと。
マッキンゼーの採用マネージャーを12年勤めた伊賀泰代氏による、優秀な人物像についての本。ここまでリーダーシップ強烈プッシュな本を読んだのは初めてだ。
「kdk: 元上司から学んだこと」で、新社長(当時元上司)から「クリスマスプレゼントと言ってプロジェクトメンバーそれぞれに本をプレゼントしてくれたのです。(記事より)」と紹介されていて、面白そうだったので購入。
タイトルは「採用基準」となっているのだけれども、採用担当者向け、あるいは求職者向けの本では全くない。いや全くないわけではないけれど。
本書では問題解決に必要なものとして「思考スキル」だけではなく「考える意欲」と「考える体力」があること、解決策を実際に実現するために「リーダーシップ」が非常に重要であることを説いている。
リーダーシップはトップや役職者だけではなく全員に必要であり、全員がリーダーシップを発揮して問題解決を進めることで、組織・チームとしての最高の成果を出せること、柔軟に取り組んでいけるとしている。
リーダーがなすべき4つのタスクとして
を上げている。ではそのリーダーシップを学んでいくのか。
本書では「マッキンゼー流リーダーシップの学び方」として
を挙げている。特に「どんなバリューを出したのか?」という問いが非常にパワフル。これは今以上に常に意識すべきだなあと痛感。またチーム内でも互いにバリューについて意識し合える空気を作りたい。
またリーダーシップが「すべの人が日常的に使えるスキルであること(p.194)」もあらためて意識させられた。常日頃から役割意識に縛られずに考え問題解決していくマインドが大切。
[ 読書ノート ]
両国の KFC Hall で開催された、株式会社ジースタイラス運営の2015年卒対象「ITエンジニア逆求人フェスティバル」という企業・学生交流イベントに参加してきた。この手のは5月のサポーターズ主催イベント以来。
5月の時はまだ夏前でインターンシップが目下の感心事といった感じだけれど、今の時期になると就職活動という意味合いが強い感じ。
「ITエンジニア」というくくりなので必ずしも Web 系志望じゃない方がいるのはあるとして、それ以前にエンジニア志望じゃない人も参加されていたのは運営に課題があるんじゃないかな。あと経験されている技術要素して Unity・OpenCV・Kinect などを上げている方が多かったかな。なにか恣意的な参加者人選なのだろうか。
特に Web 系は独学である程度やってみる・作ってみるという事ができる高速道路が敷かれている世界なので、学生時代からいろいろされている人も多い。やっている、やっていないで結構差が出るので、Web 系を目指しているけれども何もやっていないという方はすぐにでも何か始めると良いと思う。
もちろん選ばれる立場として、優秀な方々にそこで活躍したいと思われる企業にならなければと身を引き締めなおした1日でもあった。
以下所属組織とは関係ない個人的見解:
でも自分が学生の頃そんなの全然出来てなかった……。
今日から2日間ベルサール渋谷ファーストでプロダクトマネージャーカンファレンス 2019。
去年に引き続きの参加である。
今日のキーワードは「feature team ではなく真の product team を」「プロダクトビジョン」「信頼(trust)」。
以下タイトルは公式サイト掲載のものより。
横道稔氏。
Silicon Valley Product Group Partner and Founder / Inspired 著者 Marty Cagan 氏
与えられた機能を作るだけの feature team ではなく、真の product team を作り信頼し、プロダクトマネージャーは本当のプロダクトマネージャーの仕事をしようという話。
feature team をそのまま product team に成長させて信頼していくことができるのか、それとも優れたメンバで優れた product team を作っているからこそ信頼できるのか。
TransferWise Head of Product Kaarel Kuddu 氏
前のセッションに続きここでも、能力の高いメンバによる顧客のことを理解し考えて決定し実行できる優れたチームに決定権と成果に対する説明責任を与え信頼するという話が印象に残った。
ここでいっている責任をもつというものが何か指しているかが気になるところ。
LINE株式会社執行役員 二木 祥平 氏
「LINE公式アカウント」「LINE Ads Platform」が現在の担当プロダクトの二木氏のセッション。 「LINE(株式会社)では」 PM が何をしているかをふわっとまとめた話。ロジカルな構造や用語使いなどでしっくりこないところがあるけれど、生の声という意味で興味深く聞けた。
freee株式会社 執行役員 プロダクトマネージャー 岡田 悠 氏
バックログの縮小均衡 → プロダクトビジョンが必要 → プロダクトビジョンが機能しなかった → ストーリーテリング。
「静的なビジョンを、動的なストーリーへ深堀ること」
セッション自体がストーリーがあるかのようで惹き込まれて響いててきてさすがだなと感じた。
「シャープに本質だけを抜き出した表現にしようとする」あるいは「そもそも事実を書き並べる以上の文章をなかなか書けない」のでつい端的な文章で済ませがちだけれど、やはり人を動かすにはストーリーも大切だなと思うことができた。
エン・ジャパン株式会社 デジタルプロダクト開発本部 部長 / プロダクトマネージャー 岡田 康豊 氏
スキルを明確化・指標化することで改善が動き出すというのは、プロダクトと同じで PM に馴染みやすいのかも。
今回のセッションの事例ではかなりガッツりやっているので、業務の中でどれだけのウェイトをかけてメンバが取り組んでいるのかが気になるところ。
東京大学 FoundX ディレクター 馬田 隆明 氏
ボリュームある発表で浅く広くエッセンスを列挙したセッション。30分じゃもったいない量だ。実経験ではなく、世の中で論じられているものをまとめた馬田氏らしい内容。ユーザーコミュニティのり活用について整理されていて、概論についての理解のリフレッシュの良い機会になった。
大きくなったコミュニティのサブグループ化は過去やってみたりしてきたけれど、やっぱりいいやり方らしい。
コミュニティのオンボーディングは、企業内でもそのまま使えるのでリストとして見えるところに書き出しておきたい。
コミュニティを育てることでエンゲージメントと継続率を高めるというのは自サービスでも意識している点。優先度がなかなか上げられないけれども継続はしていきたいところだ。
パネルセッション。PM の需要・募集・市場・オンボーディングについて。
Nota Inc.CTO 増井 俊之 氏
増井氏流の発想・発明ベースのプロダクト開発の紹介。自分が使いたいから作り、問題があればすぐ直す。
プロダクトマネジメントはほぼ関係なかったけれどウィットに富んだ参考になるセッションだった。
Zoom Video Communications, Inc Chief Information Officer Harry D. Moseley 氏
30分 Zoom の宣伝。ちょっとだけ PM の話があってまた Zoom の宣伝。
『社員の力で最高のチームをつくる〈新版〉1分間エンパワーメント』の「第2の鍵」についてのポイントを書き出してみてから半年以上経ってしまった。残るは「第3の鍵」。
階層思考をセルフマネジメント・チームで置き換える。 (Replace hierarchical thinking with self-management teams.)
エンパワーメントのためには従来の階層組織において上司が下していた意思決定について、チームが意思決定し実行できるようにしていく必要がある。意思決定は最前線で行わななくてはならない。
セルフマネジメントチームについて同書では
業務プロセス全体あるいは製品やサービス全体について責任をもつ社員によって構成され、仕事の最初から最後までを、このチームが計画し、実施し、管理します。
と説明されている。
チームが自律的に動くようになった際には、上司の仕事はより上位の計画や意思決定、組織のマネジメント・メンバの成長支援などになっていく。
上司は仕事の仕方を教えるのではなく、チームメンバ同士が対立解消しながら意思決定し行動していく方法を教えていくようにする。上司に頼らないで仕事ができるようになる方法を教えるのだ。
チームがセルフマネジメントチームになるまでには、途中不満を抱える段階を通る。上司は支援をしていく必要がある。
「チームの一員の立場でセルフマネジメントチームにしていく」のか「チームの外からセルフマネジメントチームに育てる」のかによって必要なリーダーシップは全然違うだろうから、その時々の立場でしっかり考えて行動していきたい。
[ 読書ノート ]
Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。
※本サイトの内容は個人的見解であり所属組織とは関係ありません。