以前株式会社ミクシィで広報だった方が「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」という本を Facebook で薦めていたので読んでみました。
文章を書く準備段階の「構造を考える方法」、そして「読みやすく分かりやすい文章に仕上げていく方法」が本書で解説されています。
第1章では「構造シート (p.34)」を使って「テーマ」と「話題」を決めていくやり方を説明しています。「話題」を箇条書きで列挙し、それを眺めて「テーマ」を決定する。次に「話題」の順番を考えて左に数字を書く。そして番号順に「話題」を並べ替えたあと「話題」の右側に3段階の優先度を ABC を書くという流れでまとめていく方法です(このあと「話題」の取捨選択がきます)。
きちんとアウトラインを決めるべきと思いつつも、上からざっと書いていって質の低い文章を書きがちなのでこれは実践していきたいです。
続く2章以降では基本的な文の構造の正しさの話から文末のバリエーションや漢字と平仮名のバランスなどの読みやすさの話まで網羅的に説明されています。個別には文章術などのコラムなどでみかけたりしますが、こうしてまとまっていると振り返って参照しやすく助かります。ここはチェックシート化して普段からチェックしたいところです。
例えば「することができる」などの「翻訳文体」はつい書いてしまいがちなので、これを機会に意識していくことにします。
「日本語の作文技術」で学んで推敲の際にはよく基準にしている「係り受けの距離を近づける」「修飾語句は大きく長い順に」もきちんと説明されていますので、これから日本語の書き方について本を推薦するなら本書が良いと感じました。
お薦めの1冊です。
ライティングアプリ iA Writer 5.6 でスタイルチェック(Style Check)機能がついた。現時点でビルトインされたパターンは英語・フランス語・ドイツ語のみで日本語は含まれていないが、環境設定からカスタムパターンが追加可能である。試しに「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」(紹介)を参考に以下のパターンを追加してみた。
文章を書いていてこれらのパターンが出てくるとエディタ上で打ち消し線表示される。「という」は結構使っているようで、書いた瞬間に打ち消し線が入って「あっ」と何度もなった。過去の記事でも「という」が頻出していた。無意識のうちに使いがちな避けた方が良いパターンにすぐ気付けるのいいね。徐々にパターンを増やしていきたい。
2003年6月に『日本語の作文技術』を買って読んでから18年。「係り受けの距離を近づける」「修飾語句は大きく長い順に」などのポイントを学んだことが、分かりやすい文章を書くのに大いに参考になっている(体得までは至っておらず、この文章自身まだまだではあるけれども)。
分かりやすい文章の書き方について参考となる本として『日本語の作文技術』をたびたび人に薦めてきた。一方で、民族と言語について著者の強い思いが考えの背景として述べられている点や辛辣な表現がある点などから、スルー力が育っていない中高生には手放しで薦めにくかった。
2004年10月25日に中学生を想定読者とした『中学生からの作文技術』が刊行されていたのを知ったのはいつだったか。作文技術のエッセンスをより平易に説明された1冊のようなので、これなら薦められるのではと今回自身で読んでみた。
なるほど『日本語の作文技術』に比べてかなり読みやすい。要点がまとめられているので、大人にも『中学生からの作文技術』を先に読むのを薦めた方がいいぐらいだ。
主義主張も『日本語の作文技術』よりマイルドなので、これなら中学生でも自分の頭で判断しながら読めるだろう。
学校で習う文法や役物の使い方と本書での説明では異なる部分があるかもしれない。文法について指導要領とは切り離して考える、学校で書く文章は指導要領のルール(スタイルガイド)に合わせるなど本書を鵜呑みにしないことも大切だ。語順の考え方など勘所を学べれば良いと思う。
Naney (なにい)です。株式会社ミクシィで SNS 事業の部長をしています。
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