筋トレが長続きしない。「強い意志をもって続け健康になろう」という精神力頼りでこれ以上失敗体験を増やすのはだめだ。「毎日歯を磨かないと気持ち悪い」と同じになるよう、習慣にすることだけにまずフォーカスした方がいい。以前同僚に『小さな習慣 (Mini Habits: Smaller Habits, Bigger Results))』 という本を教えてもらったことを思い出したので読んでみたところ、シンプルでいけそうな習慣化ハックが紹介されていた。
本書では新たな習慣にしたいと思っている行動をもっとも小さい形にしたものを「小さな習慣」と呼んでいる。例えば「腕立て伏せ1回」のようなものだ。
習慣化するには行動の繰り返しと報酬が必要だ。習慣になるまではモチベーションか意志の力を使って行動することになる。
モチベーションは心理状態やエネルギーによって上下しやすく習慣化のためには信頼できないので、意志の力で実行するようにした方が良い。
「小さな習慣」であれば忙しくて時間がない日や疲れている日でもほんのわずかな意志の力で実行できる。常に目標を達成できていることが励みにもなり、毎日続けるうちに習慣として定着するのだ。
行動開始の合図は決まった時刻(時間ベース)やなにかの行動の後(行動ベース)などが一般的。
本書では「小さな習慣」で行動開始の合図を決めずに(行動開始の合図を複数とし)就寝時間までにやるというフリースタイルも選択肢として提案している。特に生活の一部にしたい習慣は特定の開始合図を設けない方が良いのだという。
毎日「腕立て伏せ1回」で意味があるのか?
行動を起こしてしまえば、ほとんどいつも「おまけ」でもっと多くをこなしてしまうよというのが本書の主張である。「行動するとやる気がおきる」とよく言われているので頷ける。また「小さな習慣」が本当の習慣の定着につながっていくので、早く習慣化される「小さな習慣」をすることに意味があるという。
なお、小さな目標以上を達成すると無意識が新たな期待値を設定してしまうことから大きな目標に変えてしまいがちだが、これは意識的に拒む必要がある。
疑問に感じたことについては以下のように書かれていた。
すぐに始められて毎日継続できているので気に入っている。習慣化についてはまず「小さな習慣」にするだな。
[ 読書ノート ]
プロダクトの利用を習慣付けさせる要素についてさらに知りたくて『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』を読んでみた。
行動の習慣付けモデル「フックモデル」を解説している書籍『Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール』は、どのようにすれば顧客に習慣的な利用を促しプロダクトを成長させられるかという視点で書かれていた。一方本書では、
物質の摂取を伴わずとも、強い心理的欲求を短期的に満たし、その一方で長期的には深刻なダメージを引き起こす行動に抵抗できないとき、それを行動嗜癖と呼ぶのである。
と行動嗜癖に警鐘を鳴らす立場で書かれている。自分自身 Twitter を日常的にチェックしていること、 Twitter 以外の利用も含めスマートフォンを頻繁を使っていることはまさに行動嗜癖によるものだ。最近、家に帰ると毎晩『TETRIS 99』をやりたくなるのも同様に行動嗜癖だろう。
「ソーシャルメディアと行動嗜癖」「スマートフォン・タブレットと行動嗜癖」についての
ソーシャルメディアで過ごす時間が長い被験者は、そうでない被験者に比べて、集中して課題をこなす能力が低くなっていた
や
スマートフォンは、たとえ使っていなくても、そこにあるだけで人間関係を損なうのだ。スマートフォンの向こうに世界が広がっていることをつねに思い出しているので、目の前の会話に集中できない。
といった話にはもちろん思い当たる節があり、読んでいるとなかなか重い気持ちになってくる。
「オンラインコミュニケーションと行動嗜癖」という点では、
人間は、自分の行動が他人に影響を与える様子を観察することで、他人への共感や理解というものを学ぶ。目の前で反応を見られなければ共感力は育たない。
と、オンラインばかりではコミュニケーション力の成長に大きな問題が生じると言っている。これは子供だけでなく、大人のコミュニケーション力向上あるいは維持にも言えることだろう。
他人と向き合い、顔と顔をあわせ、会話を続けていくことはどういうことなのか、学ぶ機会が生じない。キーボードをスタッカートで叩く会話のリズムは--ウェブカメラを通じた交流も--実際に顔をあわせた会話のリズムとは大きく異なるし、情報を伝え合う範囲も極めて狭い。
昨年から仕事でのコミュニケーションのほとんどがオンラインになった。不可逆な社会変化によりオフィスワークとリモートワークのハイブリッドなワークスタイルは今後も続くだろう。「対面よりもビデオ会議」「ビデオ会議よりも通話会議」「通話会議よりもチャット」と、「効率的」「十分」という意見のもとに帯域の狭いコミュニケーションばかりが選ばれていくことで、ただでさえ低いコミュニケーション力が気が付かないうちにひどい事にならないかと懸念している。
オンラインだけで過ごしていると、自分の一部がしなびていくんです
忘れないでください。ピクルスになった脳は、二度とキュウリには戻りません
組織の創発・イノベーション創出のためにはオフィスワークかリモートワークかなどと考えを巡らす以前に、まずは自身の脳がしなびていかないようコミュニケーションを大切にしていかねばと感じた。
本書では「行動嗜癖の6つの要素」として
を挙げ、それぞれについて章を割いて説明している。また最後の方の章ではゲーミフィケーションの3つの要素として
が挙げられていた。プロダクトのリテンション改善には、これらが参考になるだろう。ユーザーに価値を提供していくためという大前提を忘れずに得られた知見を活かしていきたい。
[ 読書ノート ]
『Hacking Growth グロースハック完全読本』を読む会の第5回目。今日は「第3章 成長のレバーをつかむ」。「分析まひ症候群」節までの前半を発表担当した。
「成長を促す主要因を見つけ、それを変数としたグロース方程式を決める」「その変数の中で最終目標となる成功指標を選び North Star Metric とする」というのがメイントピック。グロース方程式は KPI ツリーのようなものだ。
North Star Metric は「顧客にとって」のコアバリューを正確に表す指標を選ぶ。事業目標として売上・収益を最上位において考える機会が多いが、グロースハックでは顧客をより強く意識して考えるべきだという点についてあらためて今回学んだ。
読む会のメンバから「KGI って日本でしか使われていないんでしょうか」と言われたので Web 検索で調べてみたところ、たしかに日本以外では使われていなさそうだった。目標 (objectives) なのでわざわざ KGI という用語を使う必要なんてないのかもしれない。
グロース方程式と North Star Metric は顧客行動データを収集し定性調査と合わせて分析し定めるべきで、そのためにはデータ計測し集約する仕組みが必要だ。
誰もが分かる形でデータを共有すると、北極星をはじめとした重要指標こそ全社共通の優先事項であるという意識を定着させ、グロースチームだけでなくすべてのチームにデータ駆動型の行動を促すことにつながる。
というのはエンパワーメントの実現にもつながる話だな。
それから「レバー (levers)」っていう表現、握ってガッコンって下げるイメージを持っていたのだけれど、読む会参加者の1人が自分はテコをイメージしていると言っていてなるほどと思った。こういったこと気づきが得られるのは輪読会ならではだな。
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Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。
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