部門で OKR をやってみよう思う。
その前に自分の理解を深めておくために、個人 OKR を立てて実践してみることにした。あまり考え過ぎずに始めて、疑問にぶつかったり失敗したりしながらやり方を学ぼうと思う。
高速にイテレーションを回して失敗するために、あえて1週間サイクルで始めてみる。
今年の10月から部門で OKR を導入してみようと思う。
マネージャーレベル以上でまずトライアルをしようと提案。
概要レベルでは OKR を知っているだろうという思い込みと、とりあえずやってみて分からないところ・気がついたところ・失敗したことから学習していくのが一番早いだろうという観点での提案だったのだけれど、しっかり事前学習・事前検討の時間が欲しいという声が多かった。
この点ではメンバの価値観の考慮不足だったなあと反省。
ただこの提案自体を練るのに時間をかけすぎずにぶつけた事で、次に事前学習をみんなで始めるというアクションが起こせたのでオーケーだと思ってる。みんなそれぞれ Measure What Matters を読むことになった。
新しいチャレンジに巻き込む時にはメンバの価値観を考えて準備する。
KR のスコア(自己採点)
でトータルスコア(平均)は 0.5。でも最後の C: 1.0 のおかげで目標(O)は達成できている状態なので、KR の設定が何かイケてなかった気がする。
昨年春に OKR (原題: RADICAL FOCUS) で「達成できるかできないか半々くらいのもの」「10分の5の自信度」になるように OKR を設定すると説明されていたのを読んだ。
また Google re:Work - ガイド: OKRを設定するでは
と説明されていたので、その頃は「今まで通りやってトレンド通りに推移した際の予測値が達成率 2/3 になるように KR の値を設定すれば良いのだろう。予測値の 1.5 倍がストレッチゴールだ」と考えていた。そこで「予測値の 1.5 倍をストレッチゴールに設定してみない?」という話をしたら非現実的だと周囲に拒否された。
うん、今考えてみると正しくなかったと思う。
保守的予測が 3,000 なので目標 4,500。結果 3,000 なら達成率 2/3 で、結果 3,600 なら達成率 0.8?
まだいろいろチャレンジが考えられる状況での 4,500 なのか、それともいろいろトライ済みの状況での 4,500 なのかで、目標達成の難易度と自信度は変わってくるはず。かならずしも指標値と難易度は線形関係とは限らないんだな。単純に 1.5 倍するとかではなくて自信度を考えて適切なストレッチゴールを設定すべきだなと。
線形じゃないと達成度をそのまま評点にできなくなるなというのはあったのだけれど、Measure What Matters に 達成率から評点を考える際に「主観的判断で補強」すべきとあったのを見て腑に落ちた感じがした。
先週導入提案をしてから1週間。Measure What Matters を読み進めている途中という前提で現時点での意見交換をした。
導入に慎重・反対な意見として以下のようなものがあった。それぞれ個人的に考えてみた(意見をくれた人に反論したいという訳ではない)。
巻き込もうと思った全員に「自ら動きたくなる気持ちを起こさせること(人を動かす)」ができなかった。
OKR を使うかどうか以前に野心的な目標を立ててメンバを率いて目指していくという気持ちを起こさせられなかった。
すでに存在する OKR という手法を使って組織の目標を野心的目標(野心的 OKR)に作り直し、そこからサイクルを回していくことで失敗しながら学んでいくのが良いと思っていた。その中でチャレンジする価値観が広がっていけばとも思っていた。
しかし OKR に関係なく目標と方針の見直しが先ではという意見が出て遠のいた。自分やったことが無い中で、自信をもってトライアルを売り込めなかった。きっとそいういう雰囲気が伝わっていた。
自分の失敗である。
プロダクトマネージャーカンファレンス 2019 2日目。1日目の昨日に引き続き参加。
以下タイトルは公式サイト掲載のものより。
横道稔氏。
株式会社シークレットラボ代表取締役 / エクスペリエンスデザイナー 佐藤 伸哉 氏
デザインスプリントの概論。実体験に基づくポイントの話が興味深かった。
個人の力を重視し、声の大きさを排除する。
その他ポイント。
株式会社メルカリ Director of Product Management, Mercari US in Tokyo Brad Ellis 氏
フレンドリーで愉快なおじさん風なのだけれど、すごい経歴の Brad Ellis 氏。楽しくトークを聞くことができた。
グローバルな組織では「多様性」「共有」「期待の明確化」「Internal PR」などが大切とのこと。グローバルなプロダクトに対しては「各ローカル(国、都市と地方)に合わせていくこと」の重要性を話されていた。また優れたサービスを先行してる国(例えば日本)から他の国へ展開していく事例についても紹介されていた。
始めの方にあった「You are not the user」では昨日の増井氏の発表を思い出しておかしくなったよ。
Smule, Inc Head of Product in AI (Principal Product Manager) 曽根原 春樹 氏
PM の考え方のシャープなセッション。「Think big」「上手に失敗する」。
株式会社プレイドプロダクトマネージャー 棚橋 寛文 氏
KARTE の事例。
日経の方の話が一番しっくりくるし実践されている PM の話だった。他のお二方のは立場が違うのかちょっと雰囲気が違う感じ。
プロノイア・グループ株式会社 CEO(Chief Executive Officer) ピョートル・フェリクス・グジバチ 氏
「OKR っていう言葉は使わなくたっていいじゃん」
「承認 x 感謝」が大切で、マネージャーとして次のような態度を常にもっている必要がある。
Tably株式会社 小城 久美子 氏
プロダクトの Core・Why・What を決めていくプロセスのフレームワークの紹介を実践を通じて説明。とてもわかりやすく参考になった。
キーワード: 「リーンキャンバス」「PRD」「インセプションデッキ」「バリュープロポジションキャンバス」「ユーザーストーリーマッピング」
日産自動車株式会社 コネクティドカー&サービス技術開発本部ソフトウェア&ユーザーエクスペリエンス開発部アプリケーション&サービス開発グループ主担(プロダクトマネージメント)海老澤 雅之 氏
ソフトウェア開発をウォーターフォール開発からアジャイル開発したよという話と、アプリの紹介。
今日はここで退散。
組織において表彰制度を実施する場合は「競争」と「動機づけ」について相当な注意を払う必要がある。
ピープルウエアでは「何かチーム内の競争心をあおるようなことをしたら、チーム殺し的と見なければならない。」(第2版 第28章 競争 p.235 より)
と競争についての問題を述べている。
表彰されるための行動は外発的動機づけによるもの。
Joel on Software の第21章「報奨金有害論」では、 Microsoft の「Ship It」アワードについて「従業員たちが子供のように扱われていると感じていることが明らかになった。」と述べている。
外発的動機づけされようとしていることについての反発だろう。
OKR についての書籍『Measure What Matters』では承認について
特別なプロジェクト、会社の目標の達成、会社の理念を体現する行為など、従業員の行動や成果を認める。「今月の従業員」を表彰する代わりに「今月の成果」を表彰する。
とし人ではなく「行動や成果」を表彰することを勧めている。外発的動機づけとしては「成果」よりも「行動」を褒める(成長承認する)ことに重点を置いた方が良いだろう。
行動を起こさせる程度だがその行動すべてを正当化できない程度の報酬にする。そうすると人は認知的不協和を解消しようと他の動機(内発的動機)を見つけようとする。
[ opinion ]
Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。
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