Perl プログラムから実行形式 (Windows であれば exe 形式)ファイルを作成することのできる Perl モジュール。
などの機能がある。
PAR 0.970 から PAR と PAR-Packer に分離した。
hello.pl から hello.exe を作成する。
pp -o hello.exe hello.pl
もし明示的に PAR モジュールを use していない場合、 $INC{'PAR.pm'} が真かどうかをチェックすることで判定できる。 真の場合はPARでアーカイブされたものであるので、PAR::read_file 等を実行してアーカイブの中のファイルにアクセスすることができる。
The Artistic License の下にあるライブラリを使用しているだけであれば、第8条に従い任意のライセンスを設定できる。
(pp のマニュアルより)
PAR といえば Perl スクリプトを実行可能ファイル(Windows なら EXE 形式ファイル)に変換するモジュールとして有名である。
ちなみに実行可能ファイルを作成する部分はは PAR 0.97 より PAR-Packer パッケージに分けられ、PAR 自体はインストールしやすい pure Perl なパッケージになっている。
PAR が提供するもう一つの(こちらが本来はメイン?)機能は、プログラムの実行時に必要な Perl モジュールを PAR ファイルと呼ばれる Perl モジュールアーカイブファイルからロードする機能である。 XS モジュールなどもコンパイルすることができるどこかの環境で1度ビルドして PAR ファイルにしておけば、同じアーキテクチャのホスト上でそのまま利用することができる。
ロードしたい PAR ファイルはファイルパスだけではなく URL でも指定することができ、必要な時にオンデマンドでフェッチさせることができる。 これを使えば Perl プログラムの集中管理可能だ。
PAR 0.951 からは PAR リポジトリというコンセプトが追加され、パッケージ毎に作った PAR ファイルをサーバ上(あるいはローカル)のリポジトリに蓄積してオンデマンドでロードできるようになった。
個別に PAR ファイルを指定する従来の方式に比べてかなり便利そうである。 ということで試用してみた。
まずは
あたりをインストールし準備 OK。
最初に PAR-Repository に含まれている parrepo で。
parrepo create -r /tmp/PAR
PAR リポジトリファイルの中にはデータベースファイルが作成されるが、これは DBM::Deep というアーキテクチャ非依存のものを使っているので、Linux でも Windows でもどちらからでもアクセス可能である (つまり Linux 上でリポジトリをメンテできるということだ)。
次に必要な PAR ファイルを作成する。 作成したいパッケージを展開してビルドし、blib ができている状態で PAR::Dist を使ってパッケージ化する。
perl Makefile.PL make make test perl -MPAR::Dist -e blib_to_par
例えば ActivePerl*1 上で WWW-Mechanize-1.20 を PAR ファイル化すると
WWW-Mechanize-1.20-MSWin32-x86-multi-thread-5.8.8.par
というファイルが作成される。
普段から ActivePerl で必要なライブラリは基本的に自前で PPM パッケージ化して、動作確認した上で PPM リポジトリに蓄積するようにしているので、合わせて次の手順でパッケージを作ることになる。
perl Makefile.PL nmake nmake test perl -MPAR::Dist -e blib_to_par make_ppm
PAR ファイルができたら parrepo でリポジトリに登録する。
parrepo inject -r /tmp/PAR -f xxx.par
例えば先ほどの WWW::Mechanize がリポジトリに登録されている状態で
#!/usr/bin/perl use PAR { repository => 'file:///tmp/PAR/' }; use WWW::Mechanize; my $mech = WWW::Mechanize->new; $mech->get('http://www.example.com'); print $mech->content;
というスクリプトを書いて実行すると、PAR リポジトリから WWW::Mechanize がロードされて正しく実行される。
ここでリポジトリを Web サーバへアップロードして、repository のところに URL を指定するようにすることもできる。 例えばリポジトリを http://www.example.com/PAR/ に配置したとすると
#!/usr/bin/perl use PAR { repository => 'http://www.example.com/PAR/' }; use WWW::Mechanize; my $mech = WWW::Mechanize->new; $mech->get('http://www.example.com'); print $mech->content;
と書き換えることで、インストールしていない WWW::Mechanize を使用できるようになる。
先ほどの Perl スクリプトを get_top_page.pl という名前で保存して pp で実行可能ファイル化する。
pp -o get_top_page.exe -M PAR::Repository::Client get_top_page.pl
とすれば get_top_page.exe という実行可能ファイルが作成される。 WWW::Mechanize はオンデマンドで http://www.example.com/PAR/ からフェッチされるので、アップデートが必要な場合は新しい PAR ファイルを作成してリポジトリを更新するだけでよい。 EXE ファイルを作成しなおして利用者に配付しなすといった作業も不要だ。
さらには実行するスクリプトをも PAR リポジトリに置いておくことが可能だ。
例えば WWW-Mechanize に含まれている mech-dump をオンデマンドにフェッチして実行する実行形式ファイルは以下のコマンドで作成できる。
pp -o mech-dump.exe -M PAR::Repository::Client \ -e "use PAR { repository => 'http://www.example.com/PAR/', \ run => 'mech-dump' }"
ActivePerl では PPM があるとはいえ、普通のユーザにちょっとしたプログラムを使ってもらうのに「ActivePerl をインストールして、PPM パッケージをインストールして、……」というのは手間すぎる。
pp で プログラムに必要なものを全てバンドルした実行形式化ファイルにするという方法ももちろんあるのだが、頻繁にアップデートするようなスクリプトの場合には、起動のための部分だけ pp で作成しておいてあとは PAR リポジトリで集中管理するというのもちょっと魅力的である。
久しぶりに PAR の出番。 休日出勤して環境作り。
今回実行可能ファイルにしたい Perl プログラムが Perl 5.8 で開発・テストされているものの改訂版で、必要な PPM パッケージも 8xx 用に作りだめしてあるので、ActivePerl 5.8.9.825 上で行うことにした。
PAR::Packer は ActivePerl の build と合っていないとうまく動かないので、自分でソースからビルドして PPM パッケージ化する。 必要な依存モジュールのバージョンも軒並み上がっているので、それらもビルド。
今まで Visual Studio 6.0 でビルドしていたのだけれど、この間 PC をかえてから入れていなかったので、今回は MinGW を使うことにした。 SourceForge.net 上から g++ をダウンロードしてネットワークインストールできないようなので、そこだけ SourceForge.JP で探してきてインストール。
MinGW の bin ディレクトリを PATH に追加したら、特に問題なく Perl モジュールコンパイルできている。素晴しい。ExtUtils::FakeConfig 無くてもいいのかな。
PDL を使っている Perl プログラムを、昨日構築した今ごろの環境で PAR を使って実行可能ファイル化したんだけれども、実行してみたら
Can't locate loadable object for module PDL::Core in @INC ...
というエラー。 実行時のキャッシュディレクトリを見ると core.dll が同梱されていない模様。 なんでだー。
いろいろやってみたところ、もしやと思ってインストール済みの core.dll を Core.dll という名前に変えたらエラーが出なくなった(正確には次のモジュールで同様のエラーが出た)。
ファイル名の大文字・小文字が問題だったらしい。 PAR の FAQ には「Win32::Perms の Perms.DLL でこのエラーが出たら、Perms.dll にしてね」と書かれている。 最初これ拡張子の問題だけだと思っていた。 ベース名でも同様のようだ。
以前は問題なかったから、比較的新しい PAR で発生するようになったと思われる。 これ絶対はまる。
ActivePerl 5.10.0.1005 + Visual Studio 2005 SP1 上で PAR::Packer を使って実行可能ファイル化したものの、今日別の環境で動かしたら「このアプリケーションの構成が正しくないため、アプリケーションを開始できませんでした」というエラーがでてしまった。
今まで Visual Studio 6.0 で PPM パッケージの作成やら PAR::Packer による実行可能ファイル化をしていたので気がつかなかったのだが、調べてみると Visual Studio 2005 以降だとどうもいろいろ面倒らしい。
ActivePerl + PPM パッケージだと自分で PPM リポジトリを用意しておくことで、開発環境の統一が楽になるという利点があったのだけれどもしばらく一筋縄ではいかなさそうなので、別の Perl ディストリビューションを使ってみることにした。
Windows 上の Perl としてしばらく使ってみることにしたのは Strawberry Perl。現在のバージョンは 5.10.0.6。 以前にもちょっと入れてみたことはあったけれども、きちんと使ってみるのは初めて。
MinGW や dmake が同梱されており、CPAN.pm を使って UNIX 上と近い感覚で Perl モジュールのインストールができる。 PAR::Packer を使って実行可能ファイル化した Perl スクリプトも実行できることを確認。
しばらく乗り替えてみることにする。
Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。
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