NSIS のサイトによるとビルドに「SCons」を使うようしたらしい。
と興味深いツールになっているようだ。
現在プロジェクトLaTeXベースのドキュメント生成には GNU Make を使っているのだが、UNIX、Windows の両方でビルドできるようにするには ComSpec 環境変数の有無で使用するコマンドを切り換えたり等いろいろ面倒なので、代替ツールとして使えないかなと。
基本的な機能は Make に対する改良がなされているようであるし、コピー等ファイル操作も SCons 自体がもっているのでクロスプラットフォームでビルドできるようにするのも楽そうだ。
一方 Autoconf 系の機能については、インストール済みのライブラリの検出や実装レベルのチェック等を実装しているようである。 make check や make dist、make install 等にあたるターゲットに関する機能(あるいは規約)のようなものは無い。これは非常に残念。 結局自分が Ant を使わなくなったのも GNU Autotools にあるこれらの機能に欠けているからであるし。
実は私がPerl が好きな理由の一つとして、これらサポートが充実しているという点がある。Perl では ExtUtils::MakeMaker (あるいは Module::Build)があり、ビルドからテスト、ソースパッケージのパッケージングまでフレームワークが整っている。
SCons は Python ベースで、Makefile にあたるファイルも Python スクリプトである。 SCons が影響を受けた Cons は Perl ベースであったのだが、既に2001年5月ごろから開発が止まってしまっている。残念。
ということで Make の代替には使えそうであるが、GNU Autotools と同じようなことをするにはいろいろ手をかけないといけないといった印象。
私が Perl が好きな理由の一つに、標準でExtUtils::MakeMakerという Makefile ジェネレータがついているところである。これを使って Makefile.PL を書くと
perl Makefile.PL make manifest make make test make dist
で <pacakge>-<versionno>.tar.gz というソースパッケージを作ることができ、
tar zxvf <pacakge>-<versionno>.tar.gz cd <pacakge>-<versionno> perl Makefile.PL make make test make install
という手順でインストールする事ができるようになる。 パッケージの作り方が確立されているので、容易に新しいパッケージを開発しはじめられる。
逆に Java でプログラムを書くのが億劫なのは、このあたりの準備が面倒だからである。 Ant を使っても結局ここら辺自分でやらなければならないし。
ちょっとしたパッケージを作りたいと思うことは良くある。 例えばいくつかのデータファイルと、READMEファイルなんかをひとまとめにしてアーカイブにするとか。
本当にちょっとしたであれば、手動でアーカイブすれば良いのだが、
あたりを考慮しなければならない時は面倒くさくなってくる。
自動化としては
あたりがぱっと思い浮かぶ。 しかし、最初の2つは毎回同じようなものを書くのが面倒だし保守もしにくい。 GNU Autotools はちょっとごっつすぎだし、Windows での環境構築も面倒。
ということで最初は ExtUtils::MakeMaker を使うという線で考えてみた。 もともと Perl モジュール用で汎用用途にはちょっと邪魔な振舞いもあるが、使えないことはないと思う。 しかし make (GNU Make あるいは nmake など) に依存しているという欠点がある。
ということで ExtUtils::MakeMaker の代替である Module::Build ベースで汎用用途に使えないか検討してみた。こちらは pure Perl で make を必要としない。
Module::Build も Perl モジュールビルドにあわせた振舞いがあるものの、ちょっとカスタマイズすれば使えそうだ。 で、いろいろいじった結果、次のような感じにすると使いやすそうだ。
use Module::Build; my $class = Module::Build ->subclass(class => 'NonmoduleBuilder', code => q{ # Don't make blib sub ACTION_code {}; # Don't make blib sub ACTION_docs {}; # Don't make META.yml sub ACTION_distmeta { # no warning on ACTION_distdir $_[0]->{metafile} = 'MANIFEST'; }; # Don't add MEATA.yml to MANIFEST sub ACTION_manifest { $_[0]->{metafile} = 'MANIFEST', $_[0]->SUPER::ACTION_manifest(@_); }; }); # Set your archive name and version. $class->new(dist_name => 'mypackage', dist_version => '1.0.2', )->create_build_script;
カスタマイズした部分は以下(Module::Build 0.26 で動作確認)。
上記のようなファイルを Build.PL という名前で作っておけば
perl Build.PL ./Build manifest ./Build ./Build test ./Build dist
等として、アーカイブ作成が容易にできるようになる。
しばらくこの方法でいろいろ試してみることにしてみよう。
私が Perl が好きな理由の一つとして perltidy が存在しているという点がある。 perltidy のソースコード整形は柔軟にカスタマイズができて、自分の好みの整形設定を作っておける。 このツールおかげで後で整形できるので、荒々しくコードを書いてガンガンリファクタリングしていくことできる。
久しぶりに C++ の開発をするにあたって、C++ の同様のツールを探してみた。 perltidy のように長い式の折り返しを適切に調整してくれる整形ツールはあまり見つからない。いくつか試したところ Uncrustify にたどりついた。
uncrustify -c /dev/null --update-config-with-doc -o ~/.uncrustify.cfg
するとデフォルトの設定が書き込まれた設定ファイルができる。 これを好みの設定に書き換えていく。
uncrustify source.cpp
とすると整形されたソースコードが source.cpp.uncrustify に出力される。
uncrustify --replace source.cpp
とすると source.cpp 自体を整形されたソースコードで置き換えてくれる。
perltidy の時の設定(記事)で OK。 shell-command-on-region では
uncrustify -l CPP -q
を実行するようにする。Uncrustify は標準入力からソースコードを渡す際にはどのプログラミング言語が指定してあげる必要がある。
好みの設定は現在模索中。 長い式の中の、引数なしの関数呼び出しの開き括弧と閉じ括弧の間で折り返されることがあってそれが気持ち悪いのだが、それ以外は好みの設定になりつつある。 もうちょっと設定いじってみて確定するつもり。
Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。
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