先日読んだ「シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略」(シェアする美術)の著者である洞田貫氏のセッションがあるということで午前中に MarkeZine Day 2019 Autumn 「デジタルマーケにできること」に行ってきた。
場所はホテル椿山荘東京。
株式会社シャトレーゼ 岩井一紘(@chaiphix)氏 森ビル株式会社 洞田貫晋一朗氏 ロクシタンジャポン株式会社 安倍もと子氏
パネルディスカッション形式だけれど、特に岩井氏ががっつりしゃべる形のセッションだった。
それぞれの運用体制の規模感について聞けたのが良かったかな。
メインの担当者はどの方のところでも1人ないし2人程度。
森美術館は広報チームではなくプロモーションチームで。 SNS アカウント運用は洞田貫氏がアライアンスも含め実質1人でされているとのことだった。
コンパクトな体制でやっているのがやはり多そうだ。
売上向上がゴール。商品認知を広めるため UGC を活用。Retweet・引用 Retweet で承認欲求を満たしたりコミュニケーションしたりしながらエンゲージメントを高めているようだ。
撮影して投稿しやすい自社商品を展開している企業ならではの取り組みだと感じた。
「シェアする美術」で言われている通りインプレッション最重視しているとのこと。著書に書かれている話の一部がご本人の声で聞くことができた。
LINE 中心。 LINE 投稿でインセンティブ提供を地道に続けている。
とメディアを使い分けているとのことだった。セッションの3者の中で一番しっかりと取り組みを積み重ねてきていて継続の強さを感じた。
株式会社Faber Company 白砂ゆき子(@oyukimaru)氏 株式会社ベネッセコーポレーション 持田武資氏
慣れた感じのお2人のかけ合いで進む安心して聞けるセッション。当日タイトルは「イチから取り組んだ『ストックコンテンツ』施策とは?」
雑誌「いぬのきもち」「ねこのきもち」は購買層である飼い主向けの構成だったところ、Web サイト展開ではターゲットを広げて記事を考えていったとのこと。
SEO が連呼されるセッションだったけれど、テクニカルな話よりも検索ニーズ・検索意図の把握をして記事を制作していくという話が中心だったのが良かった。「これを伝えていきたい」ではなく「ニーズがあるものを書くよ」という事にメディアとして徹していくなら、こういう手法がポイントなんだろうなというのが盛りだくさんだった。
SEO 観点で記事テーマを探していくようなことをほとんど考えたことが無かったので、そういうやり方もあるんだなというのが学べたセッションだった。
そういえば何かしら水はあるだろうと思って持参しなかったら会場内で確保できず。公式 Twitter アカウントが買ってくるのを勧めてるのに気がついたのは着席してからだった。他のイベントで水を配ってくれているスポンサーのありがたさを知ったよ。
Pixel 4 で撮影してそのまま Lightroom で現像/編集し、あとで PC 上の Lightroom Classic 管理に移す私的フローを明確にしてみた。2年前に書き出した手順のアップデートである。
Pixel 4 上の下記のフォルダを FolderSync Pro で Dropbox に同期するようにしてある(記事)ので、そこからオリジナル画像ファイル・書き出したファイルを PC 上の保存先フォルダに移動してリネームする。
JPEG ファイルを編集した場合は、現像設定を含まないオリジナル JPEG ファイルをここで保存しておく。 DNG ファイルから現像の場合は現像設定未書き込みファイルまでは保存管理していないのでスキップ。
Lightroom Classic を起動し、 Lightroom と同期されているのを確認したあと以下の手順で。
現像設定をメタデータとして書き込んだ JPEG ファイルは、一般のアプリケーションで開いても編集前の画像しか見えず区別しづらいので -Lr をつけるルールにしている。
昨年11月2日に Pixel 4 に乗り換えてからはや7カ月。評判の良い Pixel 4 のカメラだが、画像処理の結果によっては撮った写真に好みではない不自然さを感じることがままある。 Pixel 4 は(どこまで生なのかわからないが) RAW 画像形式でも同時に保存ができるので、 JPEG 画像が好みではなかった場合には JPEG 画像からの補正以外にも RAW 現像という選択肢もあるのは嬉しい(色合い以外は Pixel 4 内で画像処理されたものの方が綺麗に感じることも多かったりするわけだが)。
前のスマートフォンに比べてカメラの性能がずっと良くになったのに「家に帰って仕上げてから」という意識が強くて外出先でその場でシェアするという活用が最近できていなかった。これでもうちょっとサクサクっとその場でやっちゃう意識がもてるようになるといいな。
今日は誕生日なので少し早めに退勤。夜ご飯の後に『あつまれ どうぶつの森』でどうぶつに誕生日を祝ってもらって満足。『あつまれ どうぶつの森』を始めたのが去年の5月と誕生日が終わった直後だったで、1年経ってついに祝ってもらうことができた。
現実の世界でも家族・会社の人・SNS 上で祝福いただき感謝。
良き誕生日。
セガグループ・東急ハンズ・キングジム・井村屋・タカラトミー・タニタの企業 Twitter アカウントを運用している中の人にスタンスや事例などを伺い、1冊にまとめた本。
各社「距離感」「共感」「コミュニケーション」といったところを重視されていた。ストレートな宣伝は Twitter ではうざったく感じられることを理解し Twitter というソーシャルメディアの場に対して「邪魔をしているかもしれない」ということに注意を払いながら、ブランディングとファン獲得に取り組まれていた。
運用面では、セガグループの中の人が「編集会議」の実施を勧めていたのに目が止まった。しっかりめの運用スタイルではやはり編集会議は意味があるんだなと。
その他すぐに参考にできそうと思ったのは以下。
そういえば企業アカウント・個人アカウントどちらも、挨拶 Tweet されているアカウントはなんだかんだ印象に残っているな。
リアルタイム感を出す点もとても納得感があった。個人的にももうちょっとリアルタイム感意識したいな。撮った写真を家に帰って RAW 現像してから後日 Tweet するようになってから、ライブ感が無くなり気味だなとちょっと思案していたところだ(個人アカウントなので好きにすればいいのだけれど)。
企業内でどういう変遷を経て今の Twitter 運用になったかなどについても各社語られているので、中の人がコミュニケーションする形の企業 Twitter アカウントを目指したい人にはいろいろ参考になる1冊だった。
なお本書はお互いにコラボレーションされているような企業に声をかけてまとめられており、この運用が唯一の正解ではないことには注意が必要だ。
『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』では中の人のカラーを出さずに顧客が本当に必要としている情報をきちんと届けることを重要視している情報発信メインの森美術館の運用について知ることができる。
Kindle版、黄色いハイライトが引かれてとても邪魔なのが残念。読者として気になったところに自分でハイライトしたいので、著者として重要アピールは太字にしてくれていると嬉しいのだ。
[ 読書ノート ]
最近また YOUTRUST の話を目にすることが多くなった。「日本のキャリアSNS」と銘打つ SNS だ。とくに転職・副業意向が無いのと、まえに会員登録しようとしたら Facebookアカウント連携が必要だったのとで以前見送っていたのだ。
今日見てみたらいつの間にかメールアドレスでも登録できるようになっていたので、会員登録してみた。
登録すると友達0人だけれど、Twitter で著名な業界人の方や YOUTRUST の中の人ぽいアカウントの投稿がフィードに流れてきていた。「人け」を醸し出すのを意識した表示制御がされているっぽい。
ぱっと見た感じ、シンプルな LinkedIn といったところなのかな?
「副業・転職意欲」は現在の所属に公開されないとなっていてなるほどそうだよねと思いつつも、所属は削除できるようだし、あまり意味のない deny 仕様な気はする。
YOUTRUST 会員登録してみた。https://t.co/MjBzC3ta6c
— Naney (@Naney) September 1, 2021
Twitter で会員登録報告 Tweet したら数名の YOUTRUST の中の人からいいねいただき、勢いを感じた。全力で取り組んでいる雰囲気が感じられて素晴らしいな。
そうそう「YOUTRUST」ってタイピングするとスペルが正しいか不安になるのはどうしてなんだろう。
『Hacking Growth グロースハック完全読本』を読む会の第4回目。前回 第2章の前半で時間を使い切ってしまったので今回は第2章の後半だ。以下2回分のまとめ。
第2章は「プロダクトの渇望度を測る」。
グロースするには大前提として顧客に愛されるプロダクトでなくてはならない。価値あるプロダクトであり、顧客がその価値を感じた瞬間「アハ体験(本書ではアハ・モーメントとも)」に愛が生まれる。
プロダクトのコアバリューとユーザーのアハ体験を見つけるのは容易ではないが、プロダクトが「マストハブ」であると思われているかどうかは、著者であるショーン・エリスが開発したユーザーアンケート「マストハブ・サーベイ」と顧客維持率測定によって判別できるという。
プロダクトのコアバリューとアハ体験が発見できておりマストハブなプロダクトであれば、グロース実験へ進むことができる。
そうでなければ追加のユーザー調査(顧客インタビュー・実施調査・試作品・文言変更実験・プロダクト変更実験・ユーザーデータ分析)を通して、まずプロダクトのコアバリューとアハ体験を探すことになる。
プロダクトのコアバリューが無いままにバイラル性を作り込んで一時的にグロースすることができても結果失速してしまうであろう。
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』でも良いプロダクトでなければプロモーションを工夫しても限界があると述べられている。
ただし SNS ではそう単純な話ではない。
プラットフォームの利用者がコアバリューであるソーシャルネットワークサービスなどは例外
と括弧書きで小さく書かれているのを見落とさなかった。 そうそう、 SNS にとっては多くのユーザーがいる事自体が大きな価値なんだよね。
すでにプロダクトがあり顧客があるならば、プロダクトのコアバリューとアハ体験を発見するためにプロダクト上で実験したりユーザデータ分析したりできる。
ユーザーデータ分析については「顧客体験のあらゆる側面からデータを集めて細かく分析」するために「適切な追跡機能を付加」し「ユーザー行動の緻密な全体像に仕上げ」て、ロイヤルユーザーに特徴的な行動を見つけるとある。分析を通じた予想外の発見のためにもデータ収集と実験が必要だという。
プロダクトが小さい初期段階ではデータ収集処理を網羅的に仕込んでいきやすそうだが、有限の資金と時間の中で進めていかなければならないだろうから、ほとんどの場合取捨選択が必要だろう。
「予想外の発見」とは結果である。予想できないからと闇雲にデータを集め眺めていてはいくら時間があっても足りない。やはり仮説思考で進めるべきだ。
東急ハンズ 公式 Twitter アカウント @TokyuHands 担当者(中の人)による、東急ハンズ流企業 Twitter アカウントの運用についての本。
Twitter はコミュニケーションツールであるとして、コミュニケーションを通じたブランディングを目的としてどのように取り組んでいるかが本書では紹介されている。Twitter 特有のスラングには解説が添えられており Twitter に詳しくない人でも理解しやすい。
友達感・リアルタイム感など、フォロワーとの関係性とコミュニケーションを大切にして運用していくためのポイントが盛りだくさんだ。特に同様のスタイルを目指している企業 Twitter アカウントの担当者にとって大いに参考になる1冊だ。
本書を参考にしても、中の人の個性を出していけば @TokyuHands とはまた違った愛されるアカウントになっていくだろう。
セガグループ・東急ハンズ・キングジム・井村屋・タカラトミー・タニタの企業 Twitter アカウントを運用している中の人にスタンスや事例などを伺いまとめた『自由すぎる公式SNS「中の人」が明かす 企業ファンのつくり方』(記事)では他のコミュニケーション重視の他の Twitter アカウントの話も書かれているので合わせて読むのがおすすめ。
Instagram や Facebook などソーシャルメディア毎に特性があり、SNS 運用にはそれぞれに合った適任者が必要だと本書では述べられている。
つまりはコミュニケーション重視の Twitter アカウント運用にも担当者の向き不向きがあるという訳ではある。『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』(記事)で述べられているようなスタイルなどもあるので、ブランドと担当者に合わせてアカウント運用方針を立てていくのがベターだろう。
[ 読書ノート ]
Naney (なにい)です。株式会社ミクシィで SNS 事業の部長をしています。
※本サイトの内容は個人的見解であり所属組織とは関係ありません。