nDiki : WSJF

WSJF (重み付けされた最短の作業から着手)

WSJF は Weighted Shortest Job First の略で、遅延コスト(CoD: Cost of Delay) を作業の期間で割った値が大きいものから優先して実行するという手法。またその値。

 WSJF = CoD / Job Duration

値が大きいものから実行することでトータルの遅延コストが最小化される(収益が最大化される)という考え方。

2018年5月28日 (月)

WSJF (重み付けされた最短の作業から着手)という手法を使い始める

昨年11月から始めたポートフォリオプランニングでは、いったん各プロダクトについて

  • 遅延コスト: 小・中・大・最大
  • 期間: S・M・L・XL

とざっくりと見積もって優先順位決めをしていました。ライフサイクル収益最大化観点で「遅延コストが大きいもの」「期間が短いもの」優先として優先順位を決めていくことになるのですが、これだと両方異なる場合は単純に比較ができません。プランニングチームが慣れてきたので、そろそろ WSJF (Weighted Shortest Job First 重み付けされた最短の作業から着手)で考えていくことにしました。

「アジャイルソフトウェア要求」を参考に遅延コストと期間はフィボナッチ数による相対評価にすることにして、既存の見積もり記号にえいやと数値を割り当てて

 WSJF値 = 遅延コスト/期間

を計算できるようにしてみました。

  • 記号とフィボナッチ数のマッピングが「えいや」という感じ。
  • 遅延コストの3要素「ユーザー - ビジネス価値」「時間価値」「リスク削減/機会可能性価値」を理解しきっていなくてうまく分解できていない。

という状態なので学習しながらリファインメントしていく感じにします(遅延コストの3要素毎にそれぞれ相対評価していくのはちょっと大変そうではあります)。

プランニングチームメンバからは「そこに時間をかけても」という声も出ましたが「見積もりの話し合い過程での気付き」と「社内政治の排除(記事)」と得られるメリットが大きいので、うまく取り入れていきたいなと思ってます。

[ 5月28日全て ]

2018年6月7日 (木)

プロダクトの遅延コストの算出方法を考える

WSJF (重み付けされた最短の作業から着手)という手法を使い始めるにあたり遅延コストを算出方法を見直し中。

エッセンシャル スクラムでは遅延コストの出し方をいくつか紹介しています。その中の1つ「アジャイルソフトウェア要求」で提案している3つ要素の和として決める方法をまずは使おうと思っています。

アジャイルソフトウェア要求では「フィーチャーの優先順位付け」と「エピックの優先順位付け」のところでそのやり方が出てきますが、今はポートフォリオプランニングレベルで考えているのでエピックの方が考え方として近そう。

プロダクトについて

  • ビジネス価値(BV): 収益・シェア・コスト削減・顧客の囲い込み向上についての相対的な価値。
  • 時間価値(TV): 時間が経つとどの程度価値が下がるかの相対的な価値。大きい値は価値が急速に低下することを表し、小さい値は安定していることを表す。
  • リスク低減/チャンス利用(RRV): 将来のプロダクトのリスクを低減する価値があるか、他のビジネスチャンスを活かす価値があるかの値。

をフィボナッチ数列の値で相対的に見積もります(アジャイルソフトウェア要求だと 1, 3, 5, 8, 13, 20, 40, 100 という等級を例として出しています)。

そして3つを足した

 [ビジネス価値] + [時間価値] + [リスク低減/チャンス利用]

を遅延コスト(CoD)とします。

正直なところ「金額」と「金額変化度合い」とをごっちゃに足しちゃう気持ち悪さがあってちょっとすっきりしない感じはあります。あと3要素それぞれで相対で決めていくとすると、特定の要素が大きめになって遅延コストを支配する可能性も出ちゃいそうだなと。

とりあえずやってまた考えるという感じかな。

[ 6月7日全て ]

2018年7月27日 (金)

プロジェクトでみんなをバスに乗せるために書いておく項目リスト

みんなをバスに乗せるためにプロジェクトのプランニングで明確にして共有した方が良いドキュメント形式って、方法論やプロジェクトの段階によっていろいろな名前のものがありますが、基本的に項目はどれも似たような感じです。

項目名を整理して決めておくと楽なのでちょっと書き出してみました。

コンセプトシート

比較的軽量にまとめる時。

  • タイトル
  • 概要 (What)
  • 目的(と背景) (Why)
  • ゴール (Goals) and/or 目標 (Objectives)

プロダクトプラン

プロダクトプランニング(エンビジョニング)のアウトプットとして。エピックレベル(数カ月程度の大きさ)。

  • プロダクト名
  • プロダクトビジョン
    • 概要
    • 目的(と背景)
    • ゴール and/or 目標
    • 成果物
    • 完了条件
    • スコープ(含むの・含まないもの)
    • (opt) 依存するプロジェクト・制約条件
    • (opt) リスク
    • (opt) 予算
    • (opt) メンバ
  • 概要レベルのプロダクトバックログ
  • プロダクトロードマップ

ポートフォリオバックログアイテム

ポートフォリオプランニングで、プロダクトプランを評価した結果のもの。エピックレベル(数カ月程度の大きさ)。

  • プロダクト名
  • プロダクトプラン
  • 期間
  • 遅延コスト(ビジネス価値・時間価値・リスク軽減/チャンスと利用)
  • WSJF

プロダクトバックログアイテム

スクラムで1スプリントで完成できるサイズのアイテム。フィーチャーレベル。

タスクチケット

ちょっとしたタスク。

  • タスク名
  • 概要
  • (opt) 目的と背景 (概要で自明でない場合)
  • (opt) 成果物/アクション (概要で自明でない場合)
  • 完了条件
  • 期日

プロジェクト憲章

  • プロジェクト名
  • 概要
  • 目的と背景
  • ゴール and/or 目標
  • 成果物
  • 完了条件
  • スコープ(含むもの・含まないもの)
  • (opt) 依存するプロジェクト制約条件
  • (opt) リスク
  • (opt) スケジュール・期限
  • (opt) 予算
  • (opt) メンバ

備考

他には以下のような形式もあります。

[ プロジェクトマネジメント ]

[ 7月27日全て ]

2018年9月30日 (日)

2018年第2第3四半期ふりかえり

四半期毎にふりかえりをしようと思っていたんだけれど、第2四半期末は後回しにしている間に終わってしまった。第3四半期末も後回しにしてこれを書いたのは10月23日だったりする。

続けたいこと

写真を見に行く (前回: 続けたいこと)

最近行ってないなと思ったけどここ半年43回は行っていた。もっといろいろ見て感性を磨きたいな。

本を読む (前回: トライしたいこと)

最近は通勤時にスマートフォンで Kindle本を読むようにしている。ちょっとずつだけれど時間的にはこの枠が習慣化しやすいかなと。

写真を撮る (前回: トライしたいこと)

毎朝通勤時に1枚撮ることを日課にしたら習慣になった。

それ以外に毎日2枚 Twitter に投稿するという自分ルールを作ったら、撮りためなきゃというのがあってカメラを持って出歩く時間が増えた。 DSC-RX0 が気軽に持ち歩けること・ Lightroom を買って現像が楽しくなったというのも大きいな。

フィルムの方は TC-1 に入れたフィルム写ルンですがまだ撮り終わっていない。今となってはフィルムは撮りどころが難しくて。

自分の Tweet を Retweet する (NEW)

感想を聞いたことはまだないんだけれど、 Retweet したらいいねがつくので継続してみる。

will doリスト作りは前日に(NEW)

前日に will do リスト(クローズドリスト)を作っておいた方が朝の仕事の出だしが早い。前日作れないこともあるけれど、できるだけ前日で。

引き続き続けたいこと(前回: 続けたいこと)

以下はいい感じなので引き続き継続。

改善したいこと

自分の頭で考える (前回: 改善したいこと)

元日に今年意識してみることにしたもの。「情報を遮断して考える」「毎日考える時間をとる」仕組み化できてない。

体力アップとメタボリックシンドローム解消 (前回: 続けたいこと)

自重筋トレ続かず。

ビジネスについて考える (前回: トライ)

関連する本を読んだりするようになったけれどまだ不足している。

WSJF (NEW)

ポートフォリオプランニングの優先順位決めに WSJF 導入しようとしたんだけれど、うまくいっていない。今はほぼない感じになってしまっているので、続けるのかやめるのか判断せねば。

ちなみに「ポートフォリオバックログ」のスプレッドシートに「概要レベルのプロダクトバックログ」列を追加したのは良い感じ。

トライしたいこと

ふりかえりからはなし。

やめるもの

六面立体パズル(いわゆるルービックキューブ) (前回: 改善したいこと)

最近はオフィスでポモドーロテクニック的休憩の間にたまに回すぐらい。忘れない程度にいったん維持できればいいかな。

歩く会 (前回: トライしたいこと)

行きたいとは思っているんだけれど優先度下げ。

アイカツ!

アイカツスターズ! を2年間観たわけだけど、アイカツフレンズ! は観ないことに。最近観ているのは「レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜」。

iThoughtsX マインドマップを都度 Markdown 形式でエクスポートして Ulysses で管理

煩雑なので続かず。

Day One Premium をキャプチャツールとして使うのを控える

無くてもまわるようになった。次回 Premium プランは更新無しかな。

[ 9月30日全て ]

2022年8月23日 (火)

グロースアイデアの影響度と作業のサイズをプランニングポーカーで決めてみる

「話し合う過程でいろいろな気づきを得るため」と「WSJF を求めるため」に、チームでグロースアイデアの影響度と作業のサイズについてプランニングポーカーをしてみることになった。

『Hacking Growth グロースハック完全読本』ではグロースアイデアの優先順位付けの参考として使うための ICE スコアシステムを紹介している。アイデアの提案者が

  • 影響度 (Impact)
  • 自信度 (Confidence)
  • 簡単度 (Ease)

をそれぞれ10点満点で採点し、その平均値をグロースアイデアのスコアとする。そのスコアを参考に優先順位付けしようというものだ。

いまチームではグロースアイデアの影響度と作業のサイズを決め、影響度を遅延コスト、作業のサイズを作業期間とみなして WSJF としてアイデアのスコアとしてみている。

ここでまだ「影響度 2 とはどれぐらいなのか?」「作業のサイズ 3 とはどれぐらいなのか?」という共通認識をチームが獲得できていないので、プランニングポーカーをやってみようとなったのである。

作業のサイズの見積もりプランニングポーカーでできるとして、影響度についても同様に見積もることができるだろうか。

やってみた感じでは作業のサイズを見積もるのに比べると、影響度はそれぞれの主張がより強く現れて合意が得られにくそうだなという印象だった(それぞれきちんと主張できていること自体はポジティブにとらえている)。

今日は時間の関係で1つのアイデアをやっておしまい。ふりかえりをしてやり方を改善しながらもう少し続けてみたい。

[ 8月23日全て ]

About

Naney Naneymx

Naney (なにい) です。株式会社MIXIで SNS 事業の部長をしています。

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