今年もやってまいりました YAPC::Asia Tokyo の前夜祭。
今年は東京ビッグサイトです。渋谷のオフィスからは埼京線からのりんかい線直通で一本で行けるので楽々。なんだかんだ順調で開場時間である 18:00 過ぎぐらいには着いてしまいました。3年前から毎年事前に Foursquare のスポットを作っていますので、今年も忘れず作っておきました。
開場は東京ビッグサイトの会議棟。久しぶりに長いエスカレータを上って逆三角形のフロアへ。受付にはダイバーズの YYC の垂れ幕があっておぉっとなりました。YYC も Perl なので違和感はありません。
今年は前夜祭から2トラックといきなりゴージャス。人数が増えたので以前みたいなゆるふわな感じではなくて、もう前夜祭からがっつりトークを聞くという雰囲気でした。参加側としてはゆるい一体感がちょっと感じられなくなりましたが、そのかわりしっかりトークを聞けたかなという感じです。前夜祭参加者数が500人を超えたということですごいですね。
YAPC::Asia Tokyo 2015 を通して参加者のマナーが良かったなと感じたのは、スマートフォンのシャッター音がほとんど聞こえなかった点です。2月の Developers Summit 2015 はシャッター音がひっきりなしでウザかったわけですが今回はぜんぜん気になりませんでした。このあたりはコミュニティの違いでしょうか。
最初のトークは Ruby の話です。ちなみに裏のトークは PHP でした。YAPC らしいです。
Ruby Committer らの開発者コミュニティの話などを含む、Ruby 言語開発の話。言語開発の話ではありますが、規模は違えど他の OSS 開発と大きく変わらなさそうというのが印象でした。このあたりは次の次の @tagomoris のトークともつながるところを感じました。
はてなブックマークにおける検索技術・自然言語処理技術についての話。
トピック生成に Elasticsearch の Significant Terms Aggregation を使っているというのが興味深かったです。Elasticsearch でいろいろできるんだなと。
トピックタイトル生成については Cabocha の係り受け解析を使って文圧縮をしているとのことです。この辺り、技術的には非常に面白いですね。ただ、ニュース職人が工夫して限られた文字数でキャッチーな見事なタイトルをつけているのをみると、(トピック数や効果を考えると)ビジネス的には人力でやった方がいいケースも多いのではと思いました。
OSS ってネイティブかどうか(内部プロダクトを切り出したものか、最初から広く使われるものを考えて作ったものか)がありますよねというのが一番刺さりました。そもそもどういう思いで公開するかによって、その後のメンテナンスやコントリビューション受け入れのスタンスが全然違うものになるなと。
今日は @lapis25 氏と会って例年通りサービスの話をしてりしてました。
終わってからはまっすぐ帰宅して、ほぼ最後の方だった花輪ばやしの中継をちょっと観たり。 明日1日目は会社を休んで朝から参加です。他の人とも会えるといいなと思います。
国内で NPS を推進している企業の1つ、株式会社アイ・エム・ジェイの主催セミナー「ロイヤルティマーケティング最前線~2016年トレンドは『ロイヤル顧客の活用』~」に参加してきました。場所は住友不動産青葉台タワーの株式会社アイ・エム・ジェイ 2F 会議室。48席あったテーブルはほぼ満席のようでした。
セミナープログラムは3部構成で、特に第2部の花王株式会社の方の取り組みが実例とあって非常に興味深いものでした。
セミナーアンケートに NPS の質問が無かったのはなぜでしょうね。
購買価値・口コミ価値・(サービスに意見・アイデア・建設的なフィードバックをくれるなどの)情報価値のある顧客をロイヤル顧客(ロイヤルカスタマー)と定義。
顧客の声を聴き「誰が」「どのくらい」「なぜ」「何が」好きなのかを分析し、ロイヤル顧客を見つけて・育てて・増やしましょうという話でした。
アメリカで開催されたカンファレンスから
といったキーワードを紹介していました。時間の都合もあってかトレンドというよりは入門的な話が中心でした。
コミュニティ・記事コンテンツ・キャンペーン・アンケートなどをもつオウンドコミュニティを通して CRM を行っている事例の紹介です。
ロイヤルカスタマーの声(VOC)はそうでないカスタマーの声に比べて全般的に長く「モノ」だけではなく「コト」「ヒト」が出てくるのだとか。そこから体験・エピソード・ストーリーを読み取っていくのがポイントのようです。
「娘が母に勧めた花王製品を勧めたエピソード」といった声をそのままコンテンツ化したりもしているということで良いなと思いました。そういうのに弱いです。
またコアユーザーについて行動や投稿を深く読み込んでペルソナを特定したり、コアユーザー同士の人間関係をネットワーク分析しそこから一緒に盛り上げてくれるユーザーを発見するなど、分析もかなりしっかりやられているようです。
やれることはなんでも貪欲に取り組んでいるような印象でした。これをどれぐらいの人数・予算でやっているのかが気になるところです。
利益への貢献はまだ測れておらず、今後 NPS を指標にして追っていきたいとのこと。いろいろありますが折れず止めずに続けていくことが大切だとおっしゃっていました。
「アンケートしたら必ず返事を返している」と言われているのを聞いて、そういうところまできちんと大切にしている点をぜひ見習いたいと思いました。
NPS 利用について比較的基本的な話が中心でした。NPS アンケートでは「スコア x スコアをつけた理由 x ユーザー属性」をもとに分析。NPS アンケートは半年から1年のスパンが妥当といっていました。
活用例については第2部と違ってクライアントの話なのでかなりぼかされていたのはちょっと残念。ここはいたしかたないところではありますね。
株式会社メルカリ主催の TOKYO CS JAM #2 に参加してきました。メルカリ主催の CS 系イベント参加は今日が3回目。いつもありがたく参加させていただいております。
CS JAM は
「CS レベルアップのための企業混合 Study Session」をコンセプトにした Customer Support 業界 (Customer Experience, Customer Service, Customer Success なども含む)を盛り上げるための、勉強会、交流会的なコミュニティイベント -- http://csjam.connpass.com/event/33258/
で東京開催は今回が2回目。メルカリは CS に関するイベントを積極的に開催されています。ネットサービス関連のスタートアップ事業/ベンチャー事業界隈での CS 交流については、メルカリが主導してくれているといっても過言じゃないと思います。
今回のテーマは「最高のチーム/組織づくり」。2つのセッションに分かれていて前半は「株式会社メルカリ 山田和弘氏」「ランサーズ株式会社 冨樫謙太郎氏」「freee株式会社 中島伸吾氏」によるパネルディスカッション。去年のスクーの「スタートアップCS担当によるカスタマサポートの極意」というオンライン授業の続編という位置づけで、その時のモデレーターだった大木しのぶさんが進行をされていました。トークと仕切りはさすがの超プロでした(スクーの宣言もうまく織り交ぜてたり)。
そして後半はそのディスカッションを踏まえての各テーブルごとのグループディスカッションです。
グループディスカッションの時間は30分。私たちの7人のテーブルは「組織文化」がお題でした。模造紙に発表内容を書き出すのも含めて30分はあっという間です。ディスカッションでは組織において「大切にしたい考え方」をきちんと共有・浸透させていくことが重要だという切り口で「ロールモデルとなる人を軸に組織に新しく入る人も含めて定期的に共有していく機会を作っていこう」という結論になりました。
30分ではもちろん議論が尽くされたとは言いがたいのですが、ほぼ初対面の方々と集中してまとめていくというワークは良い刺激になりました。
山田氏が締めの言葉で「ネットサービス業界とその CS 部門では、スピードある意思決定と対応が必要」と言われたのを聞き、今日のグループディスカッションの30分の意味をあらためて理解したのでした。
限られた情報と時間の中で不完全な状態でも答えを出して走りだし、フィードバックを得ながら方向修正しつつ進んでいく仮説思考の大切さを思い出させてくれる良い機会になりました。
何度か意見交換させていただいているメルカリの方と久しぶりにお話できたりもして今日は良い刺激を得られるセッションでした。メルカリの方々・登壇者の皆さま・参加者の方々ありがとうございました。
(画像は http://csjam.connpass.com/event/33258/ より。)
Naney (なにい)です。株式会社ミクシィで SNS 事業の部長をしています。
nDiki は1999年1月に始めたコンピュータ日誌を前身とする Naney の Web 日記(兼パーソナルナレッジベース)です。ちょっとしたノートは nNote にあります。
※内容は個人的見解であり所属組織とは関係ありません。